鈴与の医療機器物流ブログ

~医療機器物流・製造に関する最新情報をお届け致します~

医療機器を市場へ流通させるためには

2022年06月24日(金)RSS

こんにちは、鈴与のトータルアウトソーシングサービスの吉崎です。

新たに医療機器を市場に流通させるためには、様々なステップが必要となります。 そのステップの一つとして、承認等申請に係る適合性調査があります。

なお、適合性調査には、承認等申請に係る調査と、定期の適合性調査があり、 調査実施者は、対象となる医療機器のクラス分類に応じてPMDAによる審査、もしくは第三者認証機関となります。

 

QMS適合性調査

適合性調査は製造販売業者等及びすべての登録製造所をひとつのシステムとして調査され、全体で評価し、製品の適合性を判断します。

 

基準適合証

対象製品と製品群が同じ製品における基準適合証があり、同一区分同一製造所を登録製造所としている場合、QMS適合性調査は不要となるため、どのように調査をうければ効率的に調査を受けることができるか、自社で取り扱う製品の製品群や登録製造所の組み合わせなどを考慮し対応することが重要となります。

 

ISO13485認証

一方、上記運用以外でQMS適合性調査を簡略化する方法として有効なのが、登録製造所によるISO13485認証の取得になります。

これにより、QMS適合性調査が実地ではなく、書面審査となることが多く、実地と比較し、製造販売業者様が負担する手間やコストを軽減することが可能となります。

鈴与では、2017年にISO13485認証を取得し、現在も認証を維持しております

今年の4月には、年に一度のサーベイランス審査が行われ、指摘事項なしにて無事終了しております。

来年が3年に一度の更新審査となりますので、引き続き規格に準拠した製造及び品質管理を徹底し、高品質なサービスの提供に努めてまいります。

 

鈴与での対応実績

鈴与では、2017年にISO13485認証を取得してからは書面審査となることが多いですが、認証取得以前や範囲外での製造所において、PMDA、第三者認証機関ともに、QMS適合性調査の対応実績がございます。

直近では、今年の4月にISO第三者認証機関による定期のQMS適合性調査がございました。一部、軽微な指摘を頂戴しておりますが、弊社の品質管理監督システム・手順に則り、是正計画/措置の実施/報告まで、適切に完了しております。

 

このように、鈴与では医療機器製造業者として求められているQMS遵守事項に則った体制構築と監査・調査の対応を行っております。

医療機器製造を他社に委託しており、監査・調査への対応等に不安があるお客様はぜひ一度鈴与へお問い合わせください。

 

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鈴与株式会社 メディカルロジスティクス事業部 吉崎

愛知県出身。入社後、海貨事業・国際物流の分野において、輸送機器メーカー様の製品を世界各地へ輸出する、輸出手配のサポートや通関業務に携わる。その後、異分野である当部署へ異動し、医療機器物流の営業担当として活動。

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製造販売業者・製造業者の連携の重要性

2022年06月14日(火)RSS

こんにちは、鈴与のトータルアウトソーシングサービスの吉崎です。

昨今、医薬品の不正な製造に起因した回収事案が多く発生しています。これを受けて、令 和 4 年 4 月 2 8 日付けにて厚生労働省は新たな通知を発出しました。医薬品に関する内容となっていますが、医療機器においても参考とすべき内容になるかと思いますので、ぜひご確認ください。

厚生労働省通知:製造販売業者及び製造業者による品質管理に係る運用について

厚生労働省は、医薬品の製造に関する不正事案を踏まえこれを防止するために、製造販売業者及び製造業者が取り組むべき事項について示した通知「医薬品の品質問題事案を踏まえた 製造販売業者及び製造業者による品質管理に係る運用について」を発出しました。

※参考:医薬品の品質問題事案を踏まえた 製造販売業者及び製造業者による品質管理に係る運用について

厚生労働省は、この通知において、過去に発生した不正事案は、製造業者がGMP 省令に基づいた基本的な製造管理や品質管理が行われていなかったことが直接的な原因であるという考えを示しています。

また、医療現場に供給される医薬品の品質に対する責任を負う役割である製造販売業者が、GQP 省令に基づき主体的な品質管理を行うべきところを、一連の事案における一部の製造販売業者では、その本来の役割を果たせていなかったとの指摘があったと記載しており、特に、製造販売業者による製造業者に対する管理が不十分であったと考えられるとしています。

今後こうした不正事案の再発を防止するためには、製造販売業者と製造業者が共に品質管理体制を整備し、適切な品質管理業務を行うこと、また、製造販売業者と製造業者の間のコミュニケーションをより密にし、医薬品の品質確保という共通の目標に向けた相互連携を行うことが必要であるとしています。

医薬品はもちろん、医療機器も、患者様も健康や命に関わる製品ですので、同様に品質を確保していく必要があるのではないでしょうか。

医療機器における製造販売業者と製造業者 

医療機器を業として日本に輸入もしくは製造販売しようとする場合、「医療機器製造販売業」の許可を取得した者=「医療機器製造販売業者」が、医療機器となる製品の医療機器製造販売届・認証・承認を取得する必要があります。

医療機器製造販売業者は、市場にある医療機器に対して最終的な責任を負う業者であり、医療機器の副作用情報、クレーム情報、 事故情報等を国内外から積極的に収集し、市販後の製品について安全管理を行う役割を担います。また、製造所において、適正な品質管理の下で医療機器が製造されているか、管理監督する義務もあります。

つまり、医療機器製造販売業者は、医療機器を製造する者である医療機器製造業者としっかりとコミュニケーションをとり連携することで、適正な製造所の環境・体制を整えていく必要があると言えるでしょう。
製造には、包装、表示、保管行為も含まれ、例えば、市場出荷前の製品について保管のみ行う場合や、輸入された医療機器に対して必要な邦文表示を行う場合でも、その行為は製造とみなされますので、医療機器製造業者の中には物流会社も含まれます。

主たる組み立て工程に登録している製造業者だけでなく、その後の包装表示や最終製品保管場所として登録する製造業者(物流会社等)ともコミュニケーションをとり、連携することのできる体制構築が重要です 。

医療機器製造販売業者様と鈴与の連携

医療機器製造業を保有する物流会社である鈴与では、医療機器製造販売業者と製造方法、試験方法、製品の品質について、「製造管理及び品質管理確保のための取決め書」を締結し 、通常の物流に関わる業務だけでなく、医療機器の製造に関わる業務も受託しております。

鈴与では、医療機器製造販売業者様と取決めた内容をもとに委託の範囲における製品標準書の作成及び関連する手順書、作業マニュアルを作成し、これに従い製品を製造します。製造業務に携わる人員に対しては、これら手順書・マニュアルに従った製造作業を行うことを目的に、鈴与のQMSに基づき、計画的かつ継続的な教育訓練を作業員に対して実施しております。

また、医療機器製造販売業者様とは定期的な会議・定例会の実施し、物流情報や倉庫現場の状況に関する情報交換、また作業内容に関する改善提案を行っています。

このように鈴与では、医療機器製造販売業者様との定期的なコミュニケーションを通じて、より良い倉庫環境・製造環境の構築に努めています。

医療機器製造を他社に委託しており、委託先とのコミュニケーションや対応等に不安がある方はぜひ一度鈴与へお問い合わせください。

 

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メディカル分野におけるペーパーレス化

2022年03月04日(金)RSS

昨今、SDGsと言った言葉や、環境配慮・サステナビリティに関する取り組みが注目されています。
今回は、薬機法改正により副次的に期待できる、メディカル分野のペーパーレス化についてご紹介します。

添付文書の電子化によるペーパーレス

改正薬機法で導入された添付文書の電子化は、これまで印刷していた紙を削減できるので、結果として環境への配慮もできる取り組みと言えます。また、添付文書を電子化することによって、これまで添付文書の封入にかかっていた作業時間を削減・効率化することもできるでしょう。

先月、ある製薬会社では、点眼薬など一部商品の容器や包装資材を簡素化する方針を発表しました。添付文書をなくして、記載事項を外箱の内側に印字するなどして、資源の無駄を減らすという取組みをしています。今後は他のブランド製品でも同様の取組みを広げ、POPシールの削減も進める予定としています。

このように、添付文書の電子化は、環境への負荷を減らし、サステナビリティの観点からも有用と言えるのではないでしょうか。

 

電子処方箋の導入によるペーパーレス

先月、2023年からの電子処方箋運用開始に向けた薬機法の改正案が審査され了承されました。

紙での処方箋運用の場合は、公布された紙の処方箋を薬局などに持っていき、薬をもらうという流れになっていましたが、 電子処方箋を導入すると、紙の処方箋を持っていく必要がなくなります。

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電子処方箋の導入は、ペーパーレス化を主目的としたものではありませんが、 結果として、ペーパーレス処方箋の印刷に係るコストの削減ができ、また紙の使用量を減らす環境配慮の取組みとも言えるでしょう。
他にも、処方箋の偽装や再利用の防止、薬局などでの紙の処方箋の保管スペースの削減、と言ったメリットも挙げられます。

※参考ページ
電子処方箋|厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/stf/denshishohousen.html
電子処方箋の仕組みの構築について https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/000718397.pdf

 

鈴与でのペーパーレス化の取組み

鈴与でもペーパーレスに対する取り組みを積極的に行っています。

①スマートフォンを活用したピッキング

従来はWMS(倉庫管理システム)から出力された指示書を使って作業員がピッキングなどの作業を行ってましたが、スマートフォンを活用することで、指示書を出力しないペーパーレス化されたしたオペレーションに切り替えています。
これにより、環境への配慮だけでなく、効率的な作業も実現することが出来ます。

②BtoB向けオーダー入力システム

サプライヤーなどの取引先企業との受注・発注をオンライン化し、さらに倉庫管理、請求書発行などの顧客管理業務までをシームレスにするサービス「WEBオーダーシステム」をご提供しています。
FAXで受注した情報をERPへ手入力していたお客様に導入いただいた結果、業務の効率化が実現でき高くご評価をいただいております。

 

ペーパーレス化の取組みは、業務の効率化にもつながりますので、現状の物流業務の効率性・生産性に課題のある方は、ぜひ鈴与にお問い合わせください。

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医療機関における医療機器安全性情報の活用状況等に関する調査

2022年02月04日(金)RSS

こんにちは、鈴与の医療機器トータルアウトソージングサービスの吉崎です。

医療機器は患者様の健康や命にかかわるものですので、安全性に関する情報が医療機関へ発信・入手され、活用されていることが重要です。
PMDAでは安全対策の一環として、報告された副作用情報等をもとに、添付文書の「使用上の注意の改定」等の安全対策を厚生労働省と連携して検討・決定するととともに、それらの情報を医療機関へと発信する業務を行っています。
今回は、その業務の一環として平成26年度にPMDAが実施した
「医療機関における医療機器安全性情報の入手・伝達・活用状況等に関する調査」についてご紹介します。

1.調査の概要
・調査目的:医療機関における医療機器の安全性情報の入手・伝達・活用についての実態・課題等を把握すること
・調査対象:一般病院(無作為抽出した500施設)→回収数:200施設(回収率40%)
・調査機関:平成27年2月9日~平成27年3月13日
・調査方法:調査対象施設宛に調査票を郵送し、医療機器安全管理責任者(必要に応じ、医療機器情報管理の実務担当者)に回答を依頼
→インターネット上のウェブ調査票、電子媒体(Microsoft Excel調査票)の返送、又は紙面調査票の返送により回答を得た

※調査票等その他の情報については以下ページをご確認ください。
医療機関等における医薬品安全性情報の入手・伝達・活用状況に関する調査 | 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構 

2.調査結果と課題
安全性情報に関しては、企業提供情報と行政等提供情報の大きく2つに分けて調査が行われました。

「情報入手」に関する調査結果では、企業提供情報を受け取る特定の部門がある施設は63.4%、入手手順が定められている施設は30.1%との回答だった一方で、行政等提供情報については、入手する担当部門が決まっている施設は88.2%、入手手順が定められている施設は24.7%という結果でした。

「情報伝達」に関しては、伝達手順が定められているかどうかを調査しており、企業提供情報についてあると答えた施設は33.9%、行政等提供情報についてあると答えた施設は24.2%となっています。

このような結果から、「情報入手」「情報伝達」に関しては、以下のような課題が挙げられます。
・情報を受け取る部門が施設によって様々であり、情報入手の担当部門が不明な施設もある
・入手手順が伝達手順が定められていない施設が多く、すみずみへの情報の周知、その理解・定着が難しい

また、企業及び行政からの情報提供の課題としては、
・ほしい情報が企業からタイムリーに提供されない
・PMDAのホームページに添付文書が掲載されている医療機器は限られている

といった意見が挙げられました。

※詳細な調査結果については、調査結果のポイント、調査結果報告書、全集計結果をご確認ください。
調査結果のポイント(PDFファイル)
調査結果報告書(PDFファイル)
全集計結果(PDFファイル)

3.今後について-望まれる方向
医療機関においては、情報入手の担当部門と手順を明確にし、担当部門が企業側にも分かるように示しておくことが必要です。
また、施設内への情報伝達についても手順を定め、研修などを定期的に行うことで、情報定着を確実なものとすることが望まれています。
一方、企業側は、医療機関への適時適切な情報提供により一層努め、クラスⅣ以外の医療機器についても最新の添付文書情報をPMDAのホームページへ掲載するように努める必要があります。

なお、薬機法の改正により、2021年8月以降、紙の添付文書は原則として廃止され、電子的な方法で閲覧することが基本となっております。
これにより常に最新の情報を使って安全対策を行うことが可能となりました。
※添付文書の電子化に関する内容は、以下ブログよりご確認ください。
ブログ「2021年8月施行:薬機法改正のポイント」

鈴与では、医療機器を取り扱っている物流業者・製造業者として、PMDAにて公開されている医療機器に関する回収情報を定期的に確認し、
これを教材に品質に関する勉強会を定期的に行っております。

常に高い品質レベルのサービスを提供できるように努めておりますので、
医療機器の製造に関する品質に課題のある方は、ぜひ一度鈴与へご相談ください

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リモートによる医療機器等の適合性調査

2022年01月27日(木)RSS

こんにちは、鈴与の医療機器トータルアウトソーシングサービスの吉崎です。

新型コロナウイルスの猛威はまだまだ続いており、1月より一部の都道府県ではまん延防止措置がとられることとなりました。
この影響で、在宅勤務などリモートワーク率を引き上げる企業様も多いのではないかと思います。
医療機器等の申請における適合性調査などは、実地調査がメインとなっておりましたが、
新型コロナウイルスの影響でリモート調査を本格運用しています。

今回は、リモート調査の概要やこれまでの経緯、リモート調査を受ける際の注意点についてまとめましたので、ご参考ください。

1)リモート調査とは
令和2年5月に発出された事務連絡
「新型コロナウイルス感染症の発生に伴う当面の適合性書面調査及び GCP実地調査の実施要領に関する取扱いについて」において、
新型コロナウイルス感染症の発生に伴い、適合性調査及びGCP実地調査の実施要領が通常と異なる可能性がある、という内容が発信されました。

リモート調査に関しては、本事務連絡の中で以下(2)の項目が記載され、リモート調査の試行的な運用が始まりました。
(2) 治験依頼者等に対する適合性書面調査及び GCP 実地調査については、治験依頼者等より事前に提出された根拠資料を確認し
クラウド等のシステムや Web 会議システム等を活用して遠隔的に根拠資料を確認する方法(リモート調査)により実施する場合があること。

試行的な運用を通して医薬品医療機器総合機構(PMDA)は令和2年11月にリモート調査の本格運用を始めることを通知しました。
関係団体向けに具体的な実施方法に関する通知を発出し、リモート調査で限界がある場合は、通常調査と使い分ける、という方針を出しています。

2)リモート調査の流れ
通常調査(対面調査)では、まず資料詳細目録等の資料を提出、事前面談を行い、問題がなければ調査の実施通知が発出されます。
その後、直前提出資料の提出し、調査日当日は根拠資料を指定する調査場所に搬入し、調査を実施する、という流れになっています。

リモート調査は、直前提出資料の対応までは通常調査と同じ流れですが、
原則WEB調査の10営業日前を調査開始日と位置づけ、それまでに根拠資料を搬入する必要があります。
調査機関が根拠資料を確認した中で出てきた懐疑事項を、WEB調査の2~3日前に伝達、WEB調査の当日にその懐疑事項について調査を行う、という流れとなります。

リモート調査の流れ

3)リモート調査の資料提出方法
リモート調査における根拠資料の搬入方法は、以下3つありますが、電子媒体の方法が推奨されています。
Ⅰ 電子媒体
Ⅱ 紙媒体
Ⅲ 電子媒体+紙媒体

電子媒体で提出する際には、クラウド等システムを使用する、もしくは、CD/DVD等電磁的記録媒体を利用する、のどちらかとなります。
資料をフォルダに格納する際にはファイルを時系列に並べる、ファイル内容が分かるようなファイル名称にするなど、注意が必要です。
その他の注意点は、PMDAのリモート調査に関する説明資料(以下参考資料)をご確認ください。

※参考資料:リモート調査について(PMDA 医療機器調査・基準部/令和3年12月23日 更新)
※参考ページ:https://www.pmda.go.jp/review-services/inspections/gcp/0003.html

鈴与でも、昨年4月に実施されたISO13485認証のサーベランス審査は、リモート調査で実施されました。
今後、適合性調査以外でも、リモート調査を活用する場面も多くなると思いますので、
PMDAが提示している注意点を事前に確認してみてはいかがでしょうか。

鈴与の医療機器専用物流センターではISO13485認証を取得しており、QMS適合性調査における登録製造所の調査の多くは書面審査となります。
監査コスト削減や、薬事関連業務の管理コストに関してお悩みや課題をお持ちの方は、ISO13485認証を取得している鈴与へ一度ご相談ください。

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MDSAPの本格運用について

2022年01月11日(火)RSS

こんにちは、鈴与の医療機器トータルアウトソーシングサービスの吉崎です。

昨年、MDSAPの調査報告書の受入に関する通知が発出されましたが、MDSAPという言葉を聞いたことはありますか?
MDSAPとはそもそも何なのか、MDSAPの本格運用までの経緯などについてまとめましたので、ご参考ください。

1.MDSAPとは
MDSAPとは、Medical Device Single Audit Programの頭文字をとったものです。
日本語では「医療機器単一調査プログラム」=第三者調査機関を使った単一調査実現のためのプログラムで、
医療機器の品質確保に関する国際協力活動のことを指します。

MDSAPの参加国が、QMS調査機関を共同で評価・認定し、その質を一定程度に担保するとともに、
QMS調査機関が実施したQMS調査結果(MDSAP調査報告書)の各国での活用を目指すプログラムです。

2.これまでの経緯:MDSAP Pilotについて
2014年にアメリカ、カナダ、オーストラリア、ブラジルにより、試行的に運用されていた国際協力プロジェクト「MDSAP Pilot」に、
日本も2015年6月に正式メンバーとして参加することを表明しました。

MDSAP Pilotでは、医療機器の品質確保を目指すため、以下の事項を行ってきました。
・参加国の規制当局全体で、QMS調査を実施する民間機関を評価
・QMS調査機関は、QMS調査において参加各国の基準への適合性確認を一度に一括して実施
・QMS調査機関が実施したQMS調査結果を参加国の規制当局が活用
・Pilot期間中は、カナダで認められている調査機関(12機関)がQMS調査機関の候補

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Pilotへの正式参加により期待できることは、以下2点が挙げられます。
1)従来各国独自で実施しているQMS調査機関への評価業務を協働して実施し、その評価結果を共有できる点
2)医療機器メーカーにとって、各国ごとに実施してきたQMS調査が一括して1回で実施されるので、負荷を軽減できる点

日本では、2016年6月より、QMS適合性調査において、MDSAP PilotのQMS調査結果(MDSAP調査報告書)を試行的に受け入れ、調査手続きの合理化を図ってきました。
MDSAPの本格受入に向けて、2019年より厚生労働省やPMDAなどの関係者が定期的に意見交換会を開催し、
この検討結果を踏まえ、2022年4月より、本格受入に移行することとなりました。

※参考ページ:MDSAPに関する業務 | 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構
(MDSAPの概要や本格受入に関しての内容がまとめられています)
https://www.pmda.go.jp/review-services/reexamine-reevaluate/registered-cb/0003.html

3.MDSAPの本格運用
令和3年9月に発出された「MDSAPの調査報告書の受入れについて」の通知では、以下の事項を記載されています。

【基本的考え方】
QMS省令への適合性にかかる調査(QMS適合性調査)にあたって、PMDAとしてMDSAP報告書に基づくMDSAP調査結果を受け入れ、
当該MDSAP調査書や製造所の法令順守状況が適切な場合には、調査手続きを合理化すること。

【手続き】
①PMDAは一部の製造所等を除き、原則として書面による調査を行う
②書面調査を行うにあたっては提出すべき資料を合理化し、調査を効率的に行う
③その他、手続きや提出資料、手数料などの詳細は別途PMDAから通知される

【MDSAPの調査結果の受入の開始時期】
令和4年4月1日から申請されるQMS適合性調査について適用する

 

医療機器における申請は時間も労力もかかる業務ですので、医療機器メーカー様にとっては負担が大きいと思います。
今回のMDSAPを利用することで、負担が軽減できることも考えられますので、活用を検討してみてはいかがでしょうか。

本年も皆様のお役に立てる情報を配信して参りますので、今後も鈴与の医療機器物流ブログをよろしくお願いします。

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薬機法違反による行政措置

2021年10月06日(水)RSS

こんにちは、鈴与の医療機器トータルアウトソーシングサービスの吉崎です。

以前のブログでは、2021年8月より施行された改正薬機法の内容についてご紹介しました。
改正内容を把握しておらず、薬機法違反となってしまわないよう、しっかりと確認しておく必要があります。

では、薬機法に違反すると、どうなるのでしょうか。
どの規定に違反したかによって措置は異なりますが、薬機法では以下の行政措置が定められています。

・報告命令(69条)
・緊急命令(69条の3)
・廃棄命令(70条)
・回収命令(70条)
・検査命令(71条)
・改善命令(72条、72条の4等)
・中止命令(72条の5)
・管理者等変更命令(73条)
・業務停止命令(75条、75条の2)
・承認取消(74条の2)
・許可・登録取消(75条、75条の2)
・外国製造医薬品等の製造販売の承認の取消し(75条の2の2)
・医薬品等外国製造業者及び再生医療等製品外国製造業者の認定の取消し(75条の4)
・医療機器等外国製造業者の登録の取消し(75条の5)
・過料(91条)

参考:https://www.mhlw.go.jp/content/11121000/000352210.pdf

2021年8月からは課徴金制度も導入されております。
詳細については前回のブログでご紹介しておりますので、ぜひご確認ください。
▼ブログを読む
改正薬機法:課徴金制度について

今年に入って、爪水虫などの治療薬に睡眠導入剤成分が混入した問題で、
当該製品の製造販売業者に対して業務停止命令が出されたニュースは記憶に新しいと思います。
約390製品で虚偽の製造記録を作成し、役員らがそれを黙認しており、制度を軽視した医薬品製造を組織的に行っていました。

このような、制度を軽視し、薬機法に違反する製造が行われないよう、改正薬機法では、
許可等業者に対する法令遵守体制の整備(業務監督体制の整備、経営陣と現場責任者の責任の明確化等)の義務付けがされています。

鈴与では、品質保証課が中心となり、QMS省令に準じた医療機器製造業の管理運用体制を整えております
また、前回のブログでも記載した通り、法令順守体制に関しては、法令法規に則り組織体制を整備しております。

現状の物流業者の薬機法に関連する品質等に課題をお持ちの方は、ぜひ一度鈴与へご相談ください。

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愛知県出身。入社後、海貨事業・国際物流の分野において、輸送機器メーカー様の製品を世界各地へ輸出する、輸出手配のサポートや通関業務に携わる。その後、異分野である当部署へ異動し、医療機器物流の営業担当として活動。

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改正薬機法:課徴金制度について

2021年09月29日(水)RSS

皆さん、こんにちは。鈴与の医療機器トータルアウトソーシングサービスの大石です。
久しぶりの登場となります。

今回は、前回ご紹介した本年8月1日に施行された改正薬機法の内容の中から、
「虚偽・誇大広告による医薬品、医療機器等の販売に係る課徴金制度の創設」についての内容となります。

<①制度創設の背景>
今回の課徴金制度の創設には、以下背景(課題)がありました。

1)近年の医薬品等に関する虚偽・誇大広告や未承認の医薬品等の広告・販売等の薬機法違反事例が散見される
2)こういった違反行為は、薬機法上の行許可を持たな事業者により行われる事例が多く、行政処分(許可取消や業務停止命令)を行うことができないため、抑止効果が働きにくい
3)違反行為の目的としての経済的利得に対する徴収すべきとの指摘
4)欧米との違い(欧米では、刑事罰としての罰金、行政罰としての制裁金による経済的利得の接収を含むことが可能)

<②制度導入の趣旨>
上述した背景(課題)から、今回課徴金制度が導入されることになりました。
趣旨としては、
「違反行為(虚偽・誇大広告の販売)により得た経済的利得を徴収することにより抑止を図り、規制の実効性を確保するため」
となります。

<③課徴金対象行為>
課徴金納付命令の対象行為は、薬機法第66条第1項の規定に反する行為として定められました。

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虚偽・誇大広告等の禁止(法第66条)
医薬品等の名称、製造方法、効能・効果、性能に関する虚偽・誇大な記事の広告・記述・流布の禁止。(第1項)
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広告の該当性や適性広告基準については、厚労省発出の以下過去通知にも記載されております。

【広告の該当性】(平成10年9月29日医薬監第148号厚生省医薬安全局監視指導課長通知)
https://www.mhlw.go.jp/bunya/iyakuhin/koukokukisei/dl/index_d.pdf
【医薬品等適正広告基準】(平成29年9月29日薬生発0929第4号厚生労働省医薬・生活衛生局長通知)
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11120000-Iyakushokuhinkyoku/0000179264.pdf

<④その他留意点>
1)課徴金額
(条件によっては減額や課徴金納付を命じない場合もありますが)
原則、違反を行っていた期間中における対象商品の売上額×4.5%となります。

2)適用対象
「何人(つまり誰にでも)」に対しても適用されます。
必ずしも医薬品等の製造販売業者、販売業者等には限定さない、という点は注意が必要です。
(つまり、広告を行った新聞社、雑誌社等に対しても適用される可能性があるということになります。)

製造販売業者の皆様におかれましては、製品の広告や表示内容について見直す良い機会として捉えてみてはいかがでしょうか。
参考URL:https://www.mhlw.go.jp/content/000609186.pdf

なお、鈴与では製品への表示や包装、といった製造業務工程の受託から、製品の保管・在庫管理、その後の代理店様への配送までを受託する、トータルアウトソーシングサービスを展開しております。
この機会に、広告・表示内容の見直しと合わせて、物流についても見直してみませんか?
鈴与のトータルアウトソーシングサービスでは、お客様にとっての物流最適提案を実施致しますので、是非ご相談ください。

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鈴与株式会社 メディカルロジスティクス事業部 大石

静岡県出身。入社以来、現場担当としてメディカル関連企業の物流に携わる。平和島センター、御殿場センターにて責任技術者を経験。現在は医療機器物流の営業担当として活動。

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2021年8月施行:改正薬機法のポイント

2021年09月03日(金)RSS

こんにちは、鈴与の医療機器トータルアウトソーシングサービスの吉崎です。
今回は、改正薬機法のうち、令和3年8月1日に施行された医療機器関連の内容についてまとめます。

【改正薬機法について】
そもそも、なぜ薬機法は改正されたのでしょうか?
これは、2014年に施行された改正薬事法の附則に検討規定が置かれており、
「施行後5年を目途として改正後の規定等に検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるもの」とされていたからです。

改正の概要は、大きく4つの項目からなっています。
1.医薬品、医療機器等をより安全・迅速・効率的に提供するための開発から市販後までの制度改善
2.住み慣れた地域で患者が安心して医薬品を使うことができるようにするための薬剤師・薬局及び専門医療機関連携薬局の導入
3.信頼確保のための法令遵守体制等の整備
4.その他
※参考サイト
厚生労働省「令和元年の医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)等の一部改正について」

基本的には令和2年9月1日が施行日として制定されましたが、
以下5つの内容については施行日が令和3年8月1日に定められました。

・最終的な製品の有効性、安全性に影響を及ぼさない医薬品等の製造方法等の変更について、事前に厚生労働大臣が確認した計画に沿って変更する場合に、承認制から届出制に見直し(医薬品及びび再生医療等製品について)
・適正使用の最新情報を医療現場に速やかに提供するため、添付文書の電子的な方法による提供の原則化
・患者自身が自分に適した薬局を選択できるよう、機能別の薬局の知事認定制度(名称独占)を導入
・許可等業者に対する法令遵守体制の整備(業務監督体制の整備、経営陣と現場責任者の責任の明確化等)の義務付け
・虚偽・誇大広告による医薬品等の販売に対する課徴金制度の創設

上記のうち、医療機器に関連する内容についてご紹介します。

【添付文書の電子的な方法による提供の原則化】
薬機法が改正される前までは、添付文書を製品に同梱する対応が主流でしたが、
2021年8月より製品と一緒に同梱されていた紙の添付文書は原則として廃止され、電子的な方法での閲覧が基本となりました。
添付文書電子化後は、医療機器等が入っている箱につけられたバーコードまたは二次元コードをスマートフォンやタブレットのアプリケーションなどを使って読み取り、その情報をもとにインターネットを経由して最新の添付文書にアクセスして電子的に閲覧することになります。

※読み取りのアプリケーションの詳細や、添付文書電子化に関連する通知については、以下サイトをご参考ください。
https://www.pmda.go.jp/safety/info-services/0003.html

【許可等業者に対する法令順守体制の整備】
医療機器製造販売業者など許可等業者は、生命関連製品を取り扱う事業者として、高い倫理観をもち、薬事に関する法令を遵守して業務を行う責務があるとしています。
しかし、近年の薬機法違反の事例では、許可等業者の役員の法令遵守意識の欠如や、法令遵守に関する体制が構築されていないことが原因と考えられるものが見受けられました。
こうした薬機法違反事案の抑止するため、許可等業者において法令遵守体制を構築し、薬事に関する業務に責任を有する役員(責任役員)を薬機法上に位置付けることとしました。
医療機器製造販売業者だけでなく、医療機器製造業者も法令順守体制の整備が求められています。

※詳細は以下リンクをご確認ください。
https://www.mhlw.go.jp/content/11120000/000731129.pdf

鈴与では、お取引している医療機器製造販売業者様の添付文書の電子化対応に伴い、製造作業の内容が変わることがありますので、医療機器製造販売業様と綿密に情報交換をしながら対応を進めております
また、法令順守体制に関しては、組織体制の見直しを実施し、8月1日より従来の「業務を行う役員」から「責任役員」としての位置づけを完了しております。

鈴与では、医療機器製造販売業者様に法令法規に則った適切な医療機器物流サービスをご提供致しますので、
委託先等のコンプライアンス、法令順守体制の構築に課題や不安を感じている方は、ぜひ一度鈴与へとご相談ください。

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【薬事最新情報】届出等のオンライン提出開始

2021年07月14日(水)RSS

こんにちは、鈴与の医療機器トータルアウトソージングサービスの吉崎です。
今回は薬事申請におけるオンライン提出に関する内容のブログです。

令和3年5月14日に厚生労働省医薬・生活衛生局4課長通知「届出等のオンライン提出に係る取扱について」という通知が発出されました。
医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器、体外診断用医薬品又は再生医療等製品の承認、許可等に係る申請、届出、申出又は願出は、
医薬品医療機器申請・審査システムによる手続き・運用が行われているものの、提出に関しては、提出先まで出向く必要があります。

今回の通知では、申請者等の利便性向上及び行政事務の効率化を図ることから、
申請・審査システムによる医薬品等の承認、許可等に係る届出又は願出の手続においては、届書又は願書のオンライン提出の運用を開始することとした、と記載されています。
※申請や申出はオンライン提出ができませんので、注意が必要です。

新型コロナウイルスの感染拡大の影響もあり、在宅勤務やリモートワークを導入している企業様も多くいらっしゃると思いますので、
オンライン提出ができるようになったことは大きなメリットがあるのではないでしょうか。
オンライン提出を開始するにあたっては、システムやソフトの手続きや準備も必要です。
以下、通知の内容を簡単にまとめておりますので、ぜひご参考いただければと思います。

なお、詳細は以下通知・事務連絡の内容をご確認いただきますようお願い致します
>通知「届出等のオンライン提出に係る取扱い等について」
>事務連絡「オンラインによる届書の提出について」

【定義】オンライン提出とは
医薬品医療機器等法にて定める届出等を、システムを使用する方法により、
届書等を厚生労働省(地方厚生局含む)、独立行政法人医薬品医療機器総合機構、都道府県に提出すること。

【使用するシステム】
申請電子データシステム(ゲートウェイシステム)
医薬品医療機器申請・審査システム
・FD申請通知に定める申請用FD等作成ソフトウェア(申請ソフト)

【提出方法】
申請ソフトを利用して届書等の電子ファイル等を作成し、ゲートウェイシステムにより行政機関宛に提出する
⇒行政機関は申請・審査システムを利用して届書等の受付等を行う

【オンライン提出対象の書類】
「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則」(昭和36年厚生省令第1号)第284条第1項により定められた様式のうち、届書及び別表1に掲げる通知により定められた様式(オンライン提出対象様式)による書類
⇒例えば、製造販売承認事項軽微変更届出や、医療機器又は体外診断用医薬品の製造販売業者休廃止等の届書、医療機器修理責任技術者等の変更の届出などが該当します
※別表1に掲げられた様式
・承認整理届
・差換え願
・取下げ願
・記載整備届書
・同一性確認届書

【オンライン提出の開始時期】
オンライン提出の対象となる届書等のうち、
・厚生労働省大臣宛て及び(機構を経由するものを含む)及び機構理事長宛てに提出するもの
;令和3年7月1日から開始
・地方厚生局長宛て(都道府県を経由するものを含む)及び都道府県知事宛てに提出するもの
;令和3年9月1日から開始

このように、コロナ禍を契機に在宅ワーク、テレワークが主流となる中、
社会システム全般もオンラインで対応できるように整備されてきております。

一方で、入出荷等の物流作業を自社で対応されている場合、そのご担当者様はどうしても出勤が必要となり、
担当外の方との勤務体系の差が生じてしまっているのではないでしょうか?
物流業務をアウトソースすることで、入出荷業務のために出勤する必要がなくなります。
働き方が大きく変化している今、そういった観点での課題をお持ちの方も、是非一度お問い合わせいただければと思います。

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