臨床研究に法規制必要‐報告書骨子を了承

企業の資金提供等は「対象外」


 厚生労働省の検討会は6日、臨床研究に法規制が必要と結論づける報告書骨子を大筋で了承した。法規制の対象は、データ改ざんが行われたディオバン事件のような不正防止を念頭に、未承認・適応外薬や広告に用いる目的の臨床研究とすることが妥当とし、これら法規制の対象となる臨床研究は、ICH‐GCP準拠で実施することを求める。製薬企業が提供する資金や労務の開示については、「自主的な取り組みに一層の努力を求める」とし、法規制の対象外とする。厚労省は、年内に報告書をまとめ、法案を国会に提出する予定。


 

 これまで日本では、承認申請目的の治験は薬事法で規制されるのに対し、医師等が実施する臨床研究は倫理指針の遵守規定にとどまり、事実上、法的には野放しの状況になっていた。この二重基準が結果的にディオバン事件のようなデータ改ざんにつながったと指摘され、臨床研究に法の網をかけるかどうか検討が進められてきた。

 その結果、骨子では、様々な臨床研究の不正事案が明るみに出て、医療現場の治療方針に大きな影響を与えたとし、臨床研究に法規制が必要と結論づけた。

 ただ、過度の法規制は、研究の萎縮をもたらすこと等が懸念されるとし、研究者の自助努力とバランスを取ることの重要性も指摘。欧米の規制を参考に、一定範囲の臨床研究に法規制を検討すべきとしつつ、リスクに応じた柔軟な運用を図ることにも配慮が必要とした。

 法規制の範囲については、▽未承認・適応外の医薬品・医療機器等を用いた臨床研究▽医薬品・医療機器等の広告に用いることを目的とした臨床研究――とすることが妥当とし、これら法規制の対象となる臨床研究は、ICH‐GCP準拠で実施することを求めた。倫理審査委員会については、法規制する臨床研究の審査を行うために備えるべき要件等の検討が必要とし、研究の途中段階でも関与すべきとした。

 また、ディオバン事件の真相究明を目指した厚労省検討会では、調査権限に限界があり、真相に十分迫れなかったとの指摘があること等を踏まえ、行政による監視指導について、行政当局が研究者や研究機関の長に対し、必要な調査を行うと共に、必要な措置を講じさせる等の権限を確保すべきとした。

 一方、製薬企業が提供する資金、労務の開示については、透明性確保の必要性を強調しつつ、業界が自主的に取り組みを進めていることを踏まえ、一層の努力を求めるにとどめた。

 ただ、法規制の範囲に含めることを規定した「広告目的の臨床研究」については、委員から「最初から広告を目的にした臨床研究はない」と異論が相次ぎ、「法規制の範囲に含まれない、倫理指針に基づいて実施した臨床研究の結果を広告に用いることのほうが問題」との指摘も出た。

 倫理審査委員会についても、「法規制する臨床研究を審査する委員会は届け出制にして、不正等があった場合、行政当局が調査できる権限を与えるべき」「臨床研究の難易度に合わせた審査を行うべき」等の意見があった。

 この日の議論を踏まえ、厚労省は骨子を修正した上で、最終的な報告書案を提示し、年内に取りまとめを行う予定。

薬事日報より

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