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衛生分野に十分な研究費を‐衛生3学会が緊急提言
医療分野への傾斜に危惧
日本衛生学会、日本産業衛生学会、日本公衆衛生学会の3学会は、来年の新独立行政法人「日本医療研究開発機構」設立が食品衛生、労働安全衛生分野等の研究費削減につながらないよう求める緊急提言を、塩崎恭久厚生労働相に提出した。医薬品・医療機器等、医療分野の研究開発関連の予算が重点化される一方で、国民のセーフティーネットにかかわる食品衛生や労働安全衛生分野の研究費が減額されかねないと懸念を表明している。
政府は、内閣に「健康・医療戦略推進本部」を設置し、来年4月から“日本版NIH”と位置づける日本医療研究開発機構が発足することになった。同機構には、文部科学省、厚生労働省、経済産業省の医療分野の研究開発関連予算を一元化。医薬品・医療機器開発や臨床研究・治験に取り組む大学、医療機関等に配分される。
3学会は、これまで厚労省で実施してきた厚労科学研究費は、医療分野の研究開発には新独法から配分される一方、それ以外の食品衛生、労働安全衛生、健康安全・危機管理等の分野の研究費については、「予算の重点化の対象外であるため、今後減額が予想される」と懸念を表明した。
その上で、「食品衛生、労働安全衛生、健康安全・危機管理等の分野は、経済成長に直接つながるものではない」としながらも、「国民の安全や健康を確保するために必要不可欠な分野」と強調。研究費を削減することは、疾病予防と健康増進にかかわる研究の推進を妨げ、国民生活の安全と健康保持に影響するとし、これらの分野に十分な予算を確保するよう環境整備を要望した。