検体測定室に関する疑義解釈集(Q&A)

 厚生労働省医政局医療関連サービス室は、薬局等で血糖などの簡易検査を行う場合の「検体測定室に関するガイドライン」を示しているが、その疑義解釈集(Q&A)を作成・公表した。Q&Aは次の通り。

検体測定室の届出関係


Q ガイドラインを遵守し、医政局指導課医療関連サービス室に届出をすれば、薬事法第39条の3の規定に基づく管理医療機器の販売業の届出は不要ですか。

A 検体測定室の届出を行った事業者であっても、薬事法第39条の3の規定に基づく管理医療機器の販売業の届出を別途行う必要があります。

 また、検体測定室の届出を行った場合は、検体測定室において使用する医療機器の販売等に限定されますが、看護師又は臨床検査技師も販売管理者になることができます。

Q 衛生検査所の開設者が、衛生検査所内や衛生検査所以外の場所で検体測定室を開設する場合には、検体測定室の届出は必要ですか。

A 都道府県知事等の登録を受けた衛生検査所の開設者であっても、衛生検査所内や衛生検査所以外の場所で、検体測定室を開設する場合には、医政局指導課医療関連サービス室長に、検体測定室の届出を行う必要があります。

Q 開設者は、運営責任者や精度管理責任者を兼務できますか。

A 開設者は、運営責任者や精度管理責任者の要件を満たしていれば、兼務することが可能です。

 ただし、精度管理責任者は、定期的に精度管理を実施すると共に、運営責任者に対して精度管理の充実を図るために必要な措置等を報告する役割が求められますので、精度管理を確実に実施する体制が確保されている場合を除き、精度管理責任者は運営責任者を兼務できません。

なお、ガイドラインにおいて、運営責任者は常勤とすること、精度管理責任者は定期的に精度管理を実施することとしていますが、勤務状況等を確認できる体制を整えてください。

検体測定室の指針関係


1.測定に際しての説明

Q 受検者から徴取する承諾書は、どのような様式にすればよいですか。

A 承諾書の徴取は、受検者が運営責任者から、測定結果が特定健診や健康診断には当たらないことや、検体の採取等は受検者が行うため受検者が一定のリスクを負うものであること等、測定に関する留意事項の説明を受けて、その内容をきちんと理解し、同意したことを確認するために必要なものです。

 承諾書の様式は任意としていますが、例えば、測定の申込書に「測定に関する説明事項(チェックボックスを付記)」や「受検者が説明内容に同意するか否か」を明記できる欄を設けてください。

Q 検体測定室において、未成年者に対する測定サービスを提供することはできますか。

A 親権者等の同意がある場合を除き、未成年者に対するサービスの提供を控えてください。

Q 検体測定室での検体の測定は、なぜ特定健診や健康診断の代わりにならないのですか。

A 検体測定室での測定は、国民の健康意識の醸成や医療機関受診の動機付けを高める観点から、受検者が検体を採取し、測定結果について受検者が判断することで、健康管理の一助となるようなサービスです。

 一方、特定健診や健康診断は、医療機関や健診機関において医師の管理のもと、検体の採取、検査等が行われ、その検査結果を用いて、受検者の健康状態を評価する等の医学的判断(診断等)や、必要な保健指導等が行われるものであるため、検体測定室での測定が特定健診や健康診断の代わりになるものではありません。

 なお、事業者は受検者に対して、測定は、特定健康診査や健康診断等ではないことを説明する必要があります。

Q 既往歴等が明らかでない受検者について、事業者はどのように対応すればよいですか。

A 受検者に確認しても既往歴等がはっきりしない場合や、事業者がサービスの提供を行うべきか判断に迷う場合は、受検者の健康に対する重大な影響を防止する観点から、サービスの提供を行わないでください。

 また、出血性疾患の既往歴や抗血栓薬の服用が受検者にあった場合も、同様の理由から、サービスの提供を行わないでください。

 なお、既往歴や服用薬の確認については、受検者が既往歴等をチェックした後に、運営責任者がその確認を行う形で行い、医療機関で行う問診のような形式では行わないでください。

Q 出血性疾患の既往歴については、ガイドラインに記載されている疾患だけを確認すればよいのですか。

A ガイドラインには主な出血性疾患を記載していますが、それ以外の出血性疾患(血小板機能異常症、血小板減少症、フォンウィルブランド病、血液凝固異常症など)についても確認してください。

Q 受検者が自分で採血できない場合、事業者は血液の採取を手伝うことは可能ですか。

A 受検者以外の者が、受検者の手指に触れ、血液の採取を手伝うことは、できません。実施した場合は医師法等関係法令に抵触する可能性があります。

 なお、自分で血液の採取ができない場合や、検査に必要な量の血液が採取できない場合は、サービスの提供を受けられないことを事前に説明してください。

2.測定項目

Q 検体測定室で行える測定項目は何ですか。

A 検体測定室で行う測定項目は、臨床検査技師等に関する法律に規定される生化学的検査のうち、次の8項目です。

 AST(GOT)/ALT(GPT)/γ‐GT(γ‐GTP)/中性脂肪(TG)/HDLコレステロール/LDLコレステロール/血糖/HbA1c

3.測定結果の報告

Q 測定結果の報告に当たって、留意すべきことは何ですか。

A 受検者に渡す測定結果には、「検体測定室」で行われたものであることが分かるように記載してください。また、測定項目の基準値(基準範囲)は、運営責任者が設定するものですが、基準値の表示に当たっては、出典を明らかにしてください。

 なお、「メタボリックシンドローム判定」「保健指導階層化判定」「日本臨床検査標準協議会共用基準範囲」等については、微量採血のための穿刺器具により採取された血液の測定結果に用いるための基準値ではないため、必ずしも検体測定室で用いる基準値として適当ではないことに留意すると共に、測定結果が基準内であることをもって、検査結果の報告書に「異常なし」と記載する等受検者の健康状態を評価するようなことはしないでください。

4.広告の規制

Q なぜ、健診等と表示してはいけないのですか。

A 健診等の「診」は、「診断」や「診察」を指すものであり、これを表示した場合、受検者に医療行為を行う場所であると誤解を与えるおそれがあるためです。

 なお、ガイドラインに記載しているもの以外であっても、「検査診断」や「検診」等という表現も受検者に誤解を与えるおそれがあるため、このような表示は差し控えてください。

5.衛生管理

Q 感染防止委員会の設置とありますが、人員数が少ない場合は、組織的な委員会の設置は困難ですが、どのように対応すべきでしょうか。

A 組織的な委員会の設置が困難である場合であっても、運営責任者は、自ら率先して感染防止に取り組むと共に、複数名が従事する場合には、感染防止について情報共有等を行う体制を整えてください。

6.運営責任者

Q 医師が検体測定室の運営責任者である場合は、医師が採血を行ってもよいですか。

A 採血等の医業を行う場合は、診療所の開設が必要ですので、検体測定室では、医師であっても採血はできません(医療法第7条第1項および第8条)

7.精度管理

Q 内部精度管理はどのようなことを行う必要がありますか。

A 測定機器のメーカーが示す精度管理の実施に加え、測定者が既知濃度の検体を用いて測定結果の精度・正確性を定期的に確認し、記録することが必要です。

Q 外部精度管理はどのように行えばよいですか。

A 日本臨床衛生検査技師会等が実施している外部精度管理調査に参加することにより、精度管理用試料を用いた施設間でのデータ比較を行うなど、正確性の確認が必要です。

8.検体測定室の環境

Q 「受検者の自己採取等に支障がないよう個室等により他の場所と明確に区別する」と記載しているが、区別はどのようにすればよいですか。

A 個室によるスペースの確保が困難な場合には、穿刺時の飛沫等による感染の防止を図る観点から、清潔が保持できるような広さと高さを考慮した衝立で区別されている必要があります。

9.研修

Q 外部研修はどのような団体で実施されていますか。

A 日本臨床衛生検査技師会等が検体の取り扱い・精度管理・感染管理・基準値の考え方などを中心とした研修を計画しています。

10.急変対応

Q 事業者が受検者の急変等に備えて、準備しておくべき物品等はどのようなものですか。

A 応急用として一時的に安静を保つための簡易なベッド(毛布、枕)や飲料水などの物品を常備すること、受検者の急変時に医療機関への通報を行う体制を整備すること等が必要です。また、緊急時に備えてAEDを配備することも考慮してください。

Q 医療機関との連携を図る体制とは、具体的にどのような内容ですか。

A 受検者の体調が急変した場合には、救急隊の要請や近隣の医療機関を紹介することが必要であるため、従事者が、受検者の体調の急変時に行うべき対応等を記した手順書を作成し、従事者がいつでも手順書を閲覧できるように事業所内に掲示してください。

11.測定用機械器具等

Q 「自己検査用グルコース測定器」を用いて血糖値を測定する場合、医療機器添付文書の重要な基本的注意として「穿刺前に、必ず流水でよく手を洗うこと」とされていますが、受検者が測定前に水道設備を利用できるような環境を整えることが必要ですか。

A 医療機器を使用する際には、医療機器添付文書に従った環境等を整える必要があるので、検体測定室において「自己検査用グルコース測定器」を使用する場合は、水道設備を設ける必要があります。

12.台帳

Q 台帳の保存は、電子媒体でも可能ですか。

A 電子媒体での保存も可能です。保存に当たっては、真正性(故意または過失による虚偽入力、書き換え、消去および混同を防止することや、作成の責任の所在を明確にすること)、見読性(情報の内容を必要に応じて肉眼で見読可能な状態に容易にできることや、情報の内容を必要に応じて直ちに書面に表示できること)および保存性(保存期間内、復元可能な状態で保存すること)の3条件を確保するようにしてください。

13.その他

Q 事業者がガイドラインに違反した場合、罰則を科されますか。

A ガイドラインは、事業者が適切に検体測定事業を実施するための規範として定められたものであるため、これに違反したからといって直ちに罰則を科されるものではありません。ただし、事業の実施に当たり、医師法、薬事法、個人情報保護法、廃棄物処理法など関係法令に抵触する行為が行われた場合には、罰則が適用される可能性がありますので、十分ご留意ください。

 なお、ガイドラインの遵守状況については、厚生労働省から事業者に対して調査、報告等をお願いする場合がありますので、ご承知おきください。

薬事日報より

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