【三生医薬】問題解決型受託メーカーに‐製剤設計から量産化まで

 三生医薬は、ソフトカプセル、シームレスカプセル、経口ゼリー剤、経口液剤の受託製造など、製薬企業や他の医薬品受託メーカーでは対応が難しい領域で専門性を発揮し、医薬向けで実績を伸ばしている。先発品メーカーだけでなく、GE薬メーカーからも引き合いが増えており、化合物の物性に応じて製剤設計を行い、製品の付加価値向上を支援する。また、製薬企業がソフトカプセル等の製剤を実際に試作できる場を用意し、製剤設計から治験薬製造、その後の量産化まで一貫したサポートができる体制を整えた。製薬企業が抱える製剤上の課題を解決できる受託メーカーとして、成長を遂げている。


 静岡県富士宮市を拠点に医薬品・医薬部外品、化粧品、健康食品などの受託製造を幅広く手がける三生医薬は、1993年11月に設立し、昨年20周年を迎えた。今月30日に、同社最大の工場である静岡県厚原工場内へ本社を移転し、5カ所ある生産拠点に点在する管理機能を一元化する。

 同社が最も得意とするソフトカプセルやシームレスカプセル製剤の開発をめぐっては、その製造方法や特性について認知度が十分でないことから、新薬の製剤候補として検討されることなく開発が進められる事例が多く、製品化事例が少ないのが現状。しかし近年、新薬が枯渇する中で既存品の価値最大化を目的とした先発品メーカーによるライフサイクルマネジメントの増加や、製剤上の工夫により付加価値を高めたいGE薬メーカーの意向により、錠剤からの剤形変更でソフトカプセルとして開発する動きが進む。

 実際、内容物の物性によっては、錠剤で対応できないケースが多く見られ、同社にも製薬企業から相談を受けるケースが増えている。液体と粉末を同時に充填でき、酸素バリア性や含量均一性に優れるソフトカプセル剤は、同時に吸収性や溶解性、苦みのマスキングなど製剤上の問題をも解決することができる。

 これまで培ってきたソフトカプセル技術のみならず、さらなる研究開発を追求。ナノから数ミクロンレベルまで超微粉砕した原料をダイレクトにソフトカプセル化する技術を確立し、二次凝集を回避した形で難溶性薬剤の体内吸収率を改善することも可能にした。深澤孝之専務取締役は、「われわれの技術をアピールし、ソフトカプセルの良さが十分に認知されていない現状を打破したい」と話す。

 その一環として、ソフトカプセル製剤を試作する場として「公開ラボ」を展開する。製薬企業や製剤研究者に設備やスタッフを提供し、実際に自ら製剤化する経験をしてもらうことで、ソフトカプセルの潜在力を理解してもらうことが狙いだ。

 また、医薬品開発では欠かせない要素の一つである「服薬コンプライアンス」に着目し、比較的新しい剤形である経口ゼリー剤も積極的に展開している。アルツハイマー型認知症治療薬においては、その服薬対象者を鑑み、水なしで服用できる経口ゼリー剤が09年に登場した。嚥下困難な高齢者や薬を嫌がる小児に適した製剤であるが、苦みのマスキングや有効成分を適宜、崩壊・溶解させるなどの様々な工夫を要す製剤でもある。同社では製薬企業と製剤設計段階から連携し開発を進めている。今後、関連学会でアピールしながら、受託拡大を目指す。

 一方、安定供給の対応に向けては、複数の製造拠点でGMP認証取得をしている。また、日本が正式加盟したPIC/S対応についても、ハード・ソフト面で準備を進め、サービスを提供できる体制を整えている。

 新たなメカニズムの薬剤が登場する中で、吸収性、即効性、リリースコントロール、飲みやすさなどに考慮した製剤設計の可能性を追求していく。深澤氏は、「経口ゼリー剤やソフトカプセル剤の製剤上のメリットを知っていただき、製剤バリエーションの拡大につながる提案を行っていきたい」と話す。

薬事日報より

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