製薬協・稲垣氏「契約型は質向上の可能性」‐臨床研究支援のあり方で発言

 降圧剤「バルサルタン」の論文不正問題を受け、臨床研究の質や透明性確保に関するルールについて、法制化も視野に議論を進めている厚生労働省の「臨床研究にかかる制度のあり方に関する検討会」は16日、日本製薬工業協会や日本学術会議などからヒアリングを行った。


 製薬協の医薬品評価委員会で委員長を務める稲垣治氏は、同協会が先月にまとめた「製薬企業による臨床研究支援のあり方に関する基本的考え方」について説明した。

 自社製品の臨床研究に対する資金や物品などの支援方法については、奨学寄附金という形での提供はやめ、「契約により実施する」こととし、研究に使用されなかった資金や物品は企業に返還することも契約で明確化するようにした。また、研究の客観性と信頼性を確保するため、研究者の独立性が重要であることを認識し、利益相反関係に十分留意して支援すべきとしている方針などを紹介した。

 委員からは、臨床研究への支援方法が製薬企業と研究者との関係を適正化する「契約型」に切り替わることによって、臨床研究の件数の減少を懸念する声が上がった。

 稲垣氏は、「予想がつかない」とした上で、「優れた研究に対しては支援が続いていく」ことを強調。「契約型」になれば、企業はこれまで以上に「研究の内容を吟味する」ことになるとし、件数は減る可能性があるとの認識を示しつつも、「研究の質、精度は上がっていくのでは」との考えを示した。

 学術会議の曽根三郎連携委員は、同会議が3月にまとめた「わが国の研究者主導臨床試験に係る問題点と今後の対応策」を紹介。製薬会社が基金を作り、研究資金の公的助成の仕組みを作ることなどを提言した。

 曽根氏は、バルサルタン臨床研究やCASE‐J試験などの市販後医薬品に係る研究者主導臨床試験の問題点として、企業からの不透明な資金提供や不適切な労務提供があったこと、同種、異種同効の医薬品が多数承認される中で研究者が比較試験、併用試験を実施するための助成金制度の基盤がない点などを指摘。

 試験の適正な実施に向けては、製薬会社などの民間資金を活用した「臨床試験推進部門」を設置し、競争原理のもとに研究者代表を公募して研究資金を公的に助成する制度を求めた。また、新組織は、医薬品医療機器総合機構(PMDA)のような公的機関内に新設することを提案した。

 さらに、研究不正を監視する米国の研究公正局(ORI)を想定した部門を設置し、違反者に適切な対応措置ができる制度の構築も求めた。具体的には、日本版NIHとして設立予定の「日本医療研究開発機構(仮称)」内に整備することを提案した。

薬事日報より

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