【日本コンタクトレンズ協会】CL販売店調査で不十分な面も‐今後も適正使用への啓発に注力

 近年、コンタクトレンズ(CL)の販売チャネルは、眼科隣接販売店、CL専門店、眼鏡店に加え、カラーCLの普及に伴い、インターネットを通じての販売、ドラッグストア、雑貨店など急速に拡大しつつある。一方で、一昨年から昨年にかけて行われた全国のCL販売店への調査、インターネット販売をめぐる調査では、販路によっては適正使用に向けた情報の提供や受診勧奨などの実施率に乖離が見られたほか、眼科医の処方・指示に基づく販売の徹底が不十分な面も散見されている。CLおよびケア用品の製造販売業者等で構成する一般社団法人日本コンタクトレンズ協会(東京文京区、田中英成会長)では、今後も引き続きCLの適正使用、さらには適正な流通の確保を実現するため、啓発活動に努めていく考えだ。

受診勧奨など情報提供が不足‐処方に基づいた販売の徹底を

 CLの眼障害が社会問題となる中で、厚生労働省では薬事法規制に加え、様々な行政通知を発出し、国民の目の健康を守る対策を講じてきた。そしてCLによる眼障害の発生報告が続いていることも背景に、2012年度厚生労働科学研究費補助金を受け、大阪大学大学院医学系研究科の田倉智之氏を研究代表者とする「コンタクトレンズ販売の実態調査に基づく販売規制のあり方に関する研究」が行われた。

 同研究は、CL販売における営業管理者の業務内容や通信販売の実態を調査することを主眼としており、日本CL協会をはじめ、日本CL学会、日本眼科医会などの関係者からなる研究班が組織され、各種調査を行った。その中では「CL販売店の実態に係わる研究」として、全国の販売店へのアンケート調査、実地調査(覆面調査)、インターネット販売調査の3種の調査が実施されている。

 アンケート調査は12年11月から1カ月間、全国の販売店(CL専門販売店、眼科隣接販売店、眼鏡店、ドラッグストア、雑貨店、その他、インターネット・通信販売店)を対象に行った。方法は無記名Webアンケート方式で、回答者は各店舗の責任者(法人単位でない)、有効回答数は1538件。同調査は、日本眼科医会、日本眼鏡販売店連合会、日本チェーンドラッグストア協会、日本CL協会の協力を得たほか、ネット上で検索した。

 販売店の業態別内訳(有効回収数)は、CL専門販売店304、眼科隣接販売店596、眼鏡店284、ドラッグストア98、雑貨店180、その他販売店39、インターネット・通信販売店37。これらの販売店で、取り扱っているCLの種類は、「視力補正用」が93・2%、「度ありカラー」が74・7%、「度なしカラー」が44・5%となっている。

 薬事法・施行規則の全体の遵守率は84・9%(品質確保、苦情処理、教育訓練、教育訓練記録、管理者意見具申、販売記録、情報提供の7項目の平均値)であった。厚生労働省医薬食品局の局長通知(CLの適正使用に関する情報提供等の徹底について)の周知率は80・7%、日本CL協会が12年6月に制定した「CLの販売自主基準」の周知率は72・8%であった。

 実地(覆面)調査は、13年1月から1カ月間、東京・神奈川・埼玉・千葉の首都圏を対象に実施。外部委託の調査員が「CLが欲しいが処方せん(指示書)は持っていない」として、使用中のCL規格だけを伝え、購入できるかどうかを調べた。有効回収数は307件。販売チャネル別内訳は、CL販売店111、眼鏡店73、ドラッグストア62、雑貨店57、その他4。

 購入に際して、処方せん(指示書)の提出を求められたのは52・8%。眼科医の処方・指示に基づく販売では、眼鏡店、ドラッグストア、雑貨店の実施率の低さも目立った。受診勧奨は、CL販売店では問題なく実施されているが、アンケート調査と実地調査との差異は、眼鏡店、ドラッグストア、雑貨店の順に乖離が大きく、実際には受診勧奨が行われている割合が少ないことが判明した。個々の適正使用情報の提供率では、全ての業態でアンケートと実地調査での大きな差異が認められている。

 インターネット販売調査は、Web上で検索したCL販売店(190サイト)が対象。個人輸入業者・宅配サービス業者は除く。3人の調査員が画面上の掲載情報を確認・記録し、24の調査項目について調べた。サイト運営者の基本情報では、会社名は概ね記載されている(99・5%)が、会社代表名や問い合わせ電話番号、営業管理者名などの記載割合は低かった。

 インターネット販売店の適正使用情報の提供率は、全体的にアンケート調査と実地調査との乖離が大きく、不十分であった。特に、重篤な眼障害リスクの告知や受診勧奨では、大きな乖離があった。同様に眼科医の処方・指示に基づく販売についても不十分で、処方せんが必要と記載されていても、そのほとんどのサイトでCLは購入でき、処方せん不要を広告告示したサイトも2割弱に見られた。

 同研究への協力を行った日本CL協会では、これら調査結果に対し「処方せんを不要とするCL販売店、眼鏡店、ドラッグストア、雑貨店、ネット販売店における適正使用の情報提供は、明らかに不足している。今後、購入者に対する適正使用情報、特に重篤な眼障害のリスクについて、販売時に十分説明するよう徹底しなければならない」(田中会長)とし、販売時の受診勧奨の強化、処方・指示に基づく販売の推進も課題に挙げる。

 さらに、局長通知および協会自主基準を、CLを取り扱う業界に対して広く働きかける必要性も指摘し、「協会の運営する継続的研修への受講率を高め、営業管理者への周知徹底を図ると共に、CLを取り扱う販売業者の意見を広く聞きながら、遵守可能な一定のルール作りに取り組む必要がある。そのため、眼鏡店、ドラッグストア、インターネット、雑貨店が所属する団体との連携も欠かせない」とする。

 日本CL協会では、安全使用のための啓発ポスター・リフーレットを独自に作成し、会員を通じて眼科医療機関や販売店に配布している(日本学校保健会から全国の小中高校にポスター6万枚配布、雑誌「KiiTa」を通じて全国のドラッグストアにリーフレット1万枚配布など)ほか、協会ホームページでも啓発を行っている。

薬事日報より

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