健食市場へのDgsの対応が重要に‐DMS政策セミナーで課題を指摘

ドラッグストアMD研究会(DMS)はこのほど、横浜市内で新春政策セミナーを開催した。

 今回は、「狭小商圏時代のドラッグストアの新たなカテゴリー構築~健康食品の新たな取り組み」がテーマ。セミナーの中では、DMS顧問の宗像守氏(日本チェーンドラッグストア協会事務総長・日本リテイル研究所代表)による講演「ドラッグストアの次なる成長戦略とその課題」や、ドラッグストアの新たな役割を受けてヘルスケアの産業化、セルフメディケーション推進、健康食品の新たな取り組みをテーマに有識者、メーカー、小売業を代表したパネリストによるパネルディスカッション「ヘルスケアの産業化と健康食品の新たな取り組み」などが行われた。

機能表示緩和の動きで健食マーケットが拡大

 宗像氏は冒頭、「今年は大変な変革の年になる。ドラッグストアの成長の伸びは近年緩やかになっており、業界が新たな局面を迎えている」と指摘。「そうした中で、どのような方向性を持つべきかを皆さんと考えたい」と語った。

 わが国の健康食品の現状と問題点に関しては、市場規模は約2兆円弱(トクホ5000億円を含む)で、その大半は通販で販売されていること、実店舗(ドラッグストア)では「品名・価格」表示のみで販売が困難なこと──などを挙げ、現状の健康食品マーケットを説明した。

 その上で、「利用者の安全・知る・選ぶ――などを求める権利をどう確保するか。民間事業者の意見や企業責任の確保に対する不信不安の払拭など、健康食品の制度化への諸問題は多い」とし、「いよいよ本格的な健康食品の制度化の検討が始まった」と述べた。

 また宗像氏は、健康食品3分類の私案を提示。「クラスA」は米国のダイエタリーサプリメントに相当する健康食品(形状は錠剤、カプセル、粉末等で、健康の維持・増進、予防、または特定の疾病軽減効果を目的に摂取される健康食品)、「クラスB」は食品形状で、健康の維持・増進を目的に摂取される健康食品(青汁、健康酢、ウエハース、ソイバーフードなど)、「クラスC」は食品の素材形状で健康に気づかい、食材として使用する食品(ヨーグルト、有機野菜、バージンオイル、ブルーベリー、ハーブなど)──とした。

 そして健康食品の制度化(法整備)後の市場規模を予測し、「クラスAとクラスBを合わせて約5兆~6兆円のマーケットになると指摘されており、OTC医薬品をはるかに上回るマーケットに成長する可能性が大きい」とした。

 販売チャネルの面からは、主たる流通チャネル、実店舗の売上が国内の60~70%を占めること、リアルとネット(オムニチャネルも含む)とも大きなビジネスに拡大することなどを挙げ、「全業態・販売店にも大きなメリットとなることは間違いない」と強調。

 さらには「ドラッグストアに関しては、専門家・健康食品アドバイザーの配置と品揃え充実で、2兆円規模のマーケットがもたらされるものと考える」とした。

多くのメーカー参入が市場活性‐望まれる販売側の専門家育

 一方、パネルディスカッションでは、メーカーの立場から桜井容子氏(アサヒフードアンドヘルスケア・ヘルスケアマーケティング部長)が、健康食品の機能表示規制緩和に触れ、「どの程度の表示が容認されるのかが明確になってくるまでに、様々なことを準備する必要がある。そうした中で、米国の市場や事例が非常に参考になると思う」とした。

 特に、米国の健康食品市場において、「着目するのは商品数の多さ」と指摘。「時間をかけていくことによって多くのメーカーが参入し、それが商品数の多さへつながり、市場が活性化している。日本においても今回の機会に、多くのメーカーが参入することが非常に重要だ」との考えを示した。

 さらに、「今回の機能表示規制緩和は非常に大きなチャンスになる」とし、主な課題として、「生活者はサプリメントが特別なものだと思っていても、知識がない場合もある。そのため、サプリメントの良さを伝えることが課題になるのではないかと考えている」とした。

 小売業の立場からは、DMS副会長で、サンキュードラッグ社長の平野健二氏が「生活者自身の健康食品に対する知識を増やさなくてはならない」との課題を指摘。「健康食品の成分量がどの程度であるかを分からずに飲んでいる生活者が圧倒的に多い。そうした生活者に必要量をどのように伝えるか。あるいは、効果を生活者が理解しても、生活者自身の現在の体の状況を理解していなければ、適切な成分量は判定できない。それらが分かるような仕組みを、店側が作らなくてはならない」とした。

 その上で、「こうした役割を果たす専門家という観点から見た場合、医薬品よりもはるかにアイテム数も成分名も多い健康食品に対して、現在の登録販売者が対応できるかどうかというと甚だ疑問で、今の段階で対応が可能なのは薬剤師だと思っている」とした。

 一方で、薬剤師に関しても「生活者一人ひとりにきちんとしたアドバイスができるのか、そうした話術を持っているのかとなると、疑問はある。生活者の啓蒙よりも前に、専門家を育成しなくてはならないということが、非常に大きな課題だ」と述べた。

 日本医薬品登録販売者協会(日登協)の樋口俊一会長は、「日登協では厚生労働省のガイドラインに則って年に2回、集合研修を実施している。研修会終了後には受講生に感想や要望等のアンケートを行っているが、最も多いのは健康食品についてもっと知りたいという要望だ。まだまだ知識が足らないということが現実だと思う」とした。

 これを踏まえ、「生活者に対する啓蒙という観点で、伝えていく役割を果たすのはドラッグストアの薬剤師、登録販売者だと思っている。国の研修のガイドラインとは別に、日登協としても少し深掘りしたテーマで、様々な研修カリキュラムを提供していく必要がある」と述べた。

薬事日報より

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