薬草栽培から海外展開も見据え「漢方産業推進」目指し新組織

 今年の注目される動きの一つとして、自治体と企業が連携し、漢方の産業化をテーマに、薬草栽培から製品化、さらには海外展開をも見据えた活動を進めようという動きがある。昨年12月18日に、神奈川県・奈良県・富山県の3知事らが集まり、新たな組織として「一般社団法人漢方産業化推進研究会(仮称)」を立ち上げることが発表された。4月頃をメドに研究会を設立し、同研究会をきっかけとして「漢方」を新たな産業へと躍進させたいとする。

 今後ますます高齢化が進む中で、従来の医療のあり方では乗り切ることが困難とされる。まず研究会設立の目的として、「今こそ漢方の“未病を治す”という考え方が必要で、これと最先端医療とを融合させた医療モデルを、世界に先駆けて超高齢化社会を迎えたわが国が作って世界に発信することが大きな可能性を秘めている」とする。

 一方で、日本は漢方薬の原材料となる生薬の80%以上を中国産に依存しており、安定的な国内供給体制を取ることが喫緊の課題でもある。さらに海外からも、トレーサビリティのしっかりした“安心・安全”の日本産生薬、ならびに日本産製品を求める声は大きく、大きな産業になる可能性を秘めている。

 また、国内農業の担い手の減少している地域において、新たな付加価値作物としての薬草栽培は、耕作放棄地や中山間地の活力を取り戻す“地域活性化”に有効な施策としても期待が大きいといっていい。

 黒岩祐治神奈川県知事、荒井正吾奈良県知事、石井隆一富山県知事、そして慶應義塾大学教授の渡辺賢治氏の発起人らは会見で、「今後は自治体および企業が連携し、漢方の産業化をテーマとして薬草栽培から製品化、周辺医療機器・システムの開発、さらには海外展開をも見据えて、新組織を立ち上げたい。研究会をきっかけに先進的な3自治体とイノベーティブな企業群が協働し、世界に発信する次世代ヘルスケアモデルを構築すると共に、日本再興に向けた大きな産業へと躍進させていきたい」と力強く抱負を語った。

 日本独自の医学である漢方を中心とするバリューチェーンを機能させることにより、輸出産業を含めた「漢方10兆円産業の創生」を目指していくとする。大まかなイメージ像は図の通り。

 これまでも研究会発足のため、企業の参加も得ながら準備会による熱い議論を重ねてきた。既に大手の商社や交通・通信系を含めた企業が賛同しているが、渡辺氏は「基本的には自治体主導というよりは、企業主体で進めていきたい。漢方薬そのものを扱う企業から栽培技術を持った企業など、様々な分野が集まることで異業種連携が生まれると考える」とし、基本的には条件に合った形であればオープンな参加としていく意向。

 「漢方産業化推進研究会」事務局は三菱総合研究所内に置かれており、問い合わせはTEL03・6705・6025(FAX03・5157・2143、メールはkampo_suishin@mri.co.jp

薬事日報より

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