神奈川・富山・奈良を中心に自治体と企業が連携‐「漢方産業化推進研究会」設立へ

神奈川県・富山県・奈良県、そして慶應義塾大学環境情報学部(大学院政策・メディア研究科)教授の渡辺賢治氏らが中心となって、漢方の産業化をテーマとした「一般社団法人漢方産業化推進研究会(仮称)」を立ち上げる。3県の知事、そして渡辺教授らが18日に都内で会見を行い、今後は自治体および企業とが連携して、薬草栽培から製品化、周辺医療機器・システムの開発、さらには海外展開をも見据えた“オールジャパン”の仕組みを構築し、漢方産業化を推進していく考えが示された。


日本は、漢方薬の原材料となる生薬の8割以上を中国産に依存しており、安定的な国内供給体制をとることが喫緊の課題となっている。一方で、海外からはトレーサビリティの面から安心・安全な日本産の生薬、ならびに生薬製品を求める声も高い。また、国内農業の担い手が減少している地域では、新たな高付加価値作物としての薬草栽培は、耕作放棄地や中山間地の活力を取り戻す地域活性化に有効な施策として期待できる──ということで、将来的に、生薬(漢方)が大きな産業になる可能性を秘めていることを挙げる。

 そして、「超高齢化が一層進行する中での医療のあり方を鑑みると、病気になる前に健康に戻していく未病(漢方)の考え方が極めて重要といえる。漢方の“未病を治す”というアプローチと、先端医療を結びつけた東西医療の融合は、世界に先駆けて超高齢社会を迎えた日本が、世界をリードできるシステムと考える」(渡辺氏)として、企業を交えた数度にわたる準備会での議論を経て、今回の設立発表に至った。

 会見で、神奈川県の黒岩祐治知事は「超高齢社会を乗り切る中で、漢方の持つ可能性は非常に大きい。その可能性を追求していくプロセスそのものが、大きな産業になると実感している。単に生薬を作るというイメージにとどまらず、未病状態をチェックする診断の部分まで、幅広く議論できることを期待している」と述べた。

 また、奈良県の荒井正吾知事は「県ではこれまで『漢方のメッカ推進プロジェクト』を立ち上げ、奈良にゆかりの深い漢方について、薬用植物の栽培から関連する商品・サービスの創出等に向け、総合的な検討を行ってきた。そういう背景からも、今回の研究会には様々な面で全面的に賛成、協力したい」とする。

基本的に“企業主導”で取組む

富山県の石井隆一知事は「県では、富山県薬事研究所、そして富山県薬用植物指導センターなども有し、天然薬物の免疫制御を活用した医薬品シーズの研究開発、富山ブランド医薬品の開発など、産学官の連携による共同研究も推進している。今後も研究会の全体の流れの中で、こうした取り組みを進めていく考えだ」と述べた。

 これまでの研究会(準備会)の中では、三菱商事、三菱総研、JR東日本、富士通、リゾートトラストなど、農業・漢方系から商社まで約20社の企業が参加表明しており、中には個人の農家からも参加意向があるという。今後は一般社団を目指す中で、条件が合えば基本的に参加が可能なオープンな形で賛同企業を募っていきたいとする。

 渡辺氏は「基本的には自治体主導というより、企業主導でやっていきたい。企業が始めようとする取り組みに対し、そのフィールドを提供してほしいと3県にはお願いしている。様々な企業が集まり、異業種連携することで、化学反応が起こることも期待する」として、将来的(時期は特定せず)には医薬品で0・8兆円、健康食品等で8・6兆円、栽培・流通で0・4兆円の「10兆円産業の創生」を目指したいとする。

 「漢方産業化推進研究会」の事務局は、三菱総研内に置かれており、TEL03・6705・6025(メールアドレスはkampo_suisin@mri.co.jp)

薬事日報より

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