【三生医薬】自社最大の厚原工場が稼働‐医薬品受注拡大へ第一歩

ソフト、ハード、シームレスと全タイプのカプセル剤に対応する三生医薬は、今年初めに静岡県富士市厚原に敷地面積7400坪、延べ床面積2600坪を誇る新工場を稼働させた。これまで培ってきたノウハウと最新の製剤技術を集結した同社最大規模の工場で、今後、医薬品の生産も積極的に受けていく。四條和洋社長は「要望に応じて設備投資を行い、大型案件の場合には新たな製剤棟の建設も視野に入れて対応を検討したい」と語る。


 三生医薬は卓越した技術開発力と製造能力、処方設計支援から試作、原料調達・検品・包装・出荷を含む本生産まで一貫受託が可能な総合力を持っている。

 特に技術面では、含量均一性や酵素バリア性に優れるというカプセル剤のメリットを生かしながら、付加価値の高い機能性カプセル製剤を数多く開発してきた豊富な実績がある。

 植物性素材を皮膜基材に採用した「V‐カプセル」には、デンプンやカラギーナンなどを用いて高温下でも製剤同士や容器へ付着しないソフトカプセル、耐熱性、耐水性に優れる寒天を使ったシームレスカプセルのほかに、強度が高く吸湿性が高い原料を配合できるセルロースや酵素バリア性に優れたプルランなどの皮膜を用いたハードカプセルがある。

 超速溶性の「S‐カプセル」は、皮膜が従来の約4分の1~10分の1と極めて薄く、口腔内で素早く溶けて皮膜の残存もない。

 キシリトールの甘みを感じられるソフトカプセルの「X‐ジェル」は、噛んで摂取することも可能な飲みやすさに配慮した製剤で、服薬コンプライアンスの向上が期待できる。

 耐熱性・耐湿性に優れたソフトカプセルの「W‐ジェル」は気温が高い場所に保管しなければならない製剤に対応できるほか、水分含量の多い水性エキスを充填することもできる。

 嵌合部を接着してボディとキャップを一体化した「B‐カプセル」は気密性が高いために酸化しやすい原料、吸湿性の高い原料に向いたハードカプセル製剤である。


 また、素錠をソフトカプセル皮膜と同じコラーゲン膜で包んだ「タブラート」は、カプセル剤と錠剤の長所を併せ持っている。糖衣錠より含量を高めることができる上に味や臭いのマスキング性に優れ、さらに、コーティングによって有効成分の色を完全に隠すことができるため、治験薬に適している。

 研究開発部の住吉悦子氏は「味、臭い、外観をプラセボと完全に同じにすることができる。特にダブルブラインド試験の場合には医師も見分けられないようにしなければならないが、タブラートは最適な製剤」と説明する。

 最近では食品で培ったノウハウを生かしてカプセル剤以外にフィールドを広げ、経口ゼリー剤を開発した。水を必要としない剤形メリットと高度なマスキング技術によって嚥下困難な高齢者や苦味を嫌う子供でも飲みやすい。アルミ素材などによる1回飲みきりタイプの包装になっており、携帯性にも優れ、新薬や後発品開発時の剤形追加や変更時の大きな武器の一つとなり得る。

 四條社長は「高齢化や小児用製剤のニーズが高まり、服薬コンプライアンスの向上が課題になっている中で、われわれが持っている製剤技術を生かし、ぜひ貢献したい。剤形変更時の処方設計や承認申請データの作成などで受託企業として手伝えることは多い」と話す。

 得意のソフトカプセルでは、超微粉砕した原薬をダイレクトに充填する独自技術も持っている。難溶性の有効成分をナノレベルまで粉砕して溶解速度を改善し、錠剤で問題となる二次凝集を起こさずに製剤化できるのが強みだ。

 一方、設備投資による生産能力の増強も進めた。新規稼働した厚原工場は5番目の拠点で、これにより同社の総受託能力は国内トップクラスに達した。将来的に医薬品の受託拡大に対応していくことが念頭にある。既に医薬品担当の営業を強化しており、技術提案等の開発サポートを担う研究開発部門と連携しながら製薬企業のニーズに応えていく方針だ。

薬事日報より

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