一般用漢方薬の適正使用目指し店頭向けに「確認票」作成

 一般用医薬品の漢方製剤の中では、「防風通聖散」のような痩身効果を掲げて大きくヒットする商品群が出ている。一方、店頭ではそうした商品イメージが先行し、漢方医学的な処方選択が行われないまま購入されているケースも少なくない。そこで国立医薬品食品衛生研究所では、一般用漢方製剤の安全性確保に関する研究として、漢方製剤販売時に「安全に使うための漢方処方の確認票」を15処方について作成した。


 第2類医薬品に属する一般用漢方製剤は、購入者はパッケージなどのイメージで選択するなど、漢方医学的処方に基づいて選択されるケースは非常に少ないのが現状。国立医薬品食品衛生研究所の研究班では、漢方製剤の不適正使用で生じる副作用回避を主たる目的に、販売サイドで取り組めるツールとして「確認票」を作成したもの。

 この研究は、厚生労働科学研究「(医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究事業)一般用医薬品における、化学合成品等のリスク区分の見直しと漢方製剤の安全性確保に関する研究」(研究代表者:合田幸広氏・国立医薬品食品衛生研究所薬品部長)の中の分担研究「漢方製剤の安全性確保に関する研究」として行われた。

 確認票の作成対象処方は、現行の第16改正日本薬局方に収載されている22処方と、第17改正以降の優先候補品目の12処方、一般用漢方製剤の販売上位30処方の中から39処方を選出。今年5月までに研究班会議などで確認票の基本構成や作成指針を確立させ、15処方の確認票を作った。

 確認票の原案内容は、漢方医薬学・生薬学を専門とする薬学研究者が初案を作成。その後、漢方専門医や専門薬剤師の見解を取り入れながら、最終版を決めた。

 確認票はA4サイズで、表裏の2面で構成する。

 表面〔写真〕では、上段部分で使用者の確認、副作用歴の有無、通院治療状況、併用薬・健康食品等の有無、妊娠・授乳の有無について全処方に共通して設置。下段部分では構成生薬に由来する副作用回避、体力、漢方医学的考え方を反映した設問など、各処方に特有の排除項目や選択項目を設定し、使用者の体質や症状に合わせてフローチャート形式で、適切な出口に導くようにした。裏面には、各処方の効能・効果、主な商品例、使用上の注意、処方構成生薬、体力のしばりが記載されている。

 同研究班では、これまでに15処方をPPシートとして印刷加工済みで、一般薬局やドラッグストア等で試用し、アンケート調査を実施中。今後、一般漢方製剤のうち、売上高の多い処方を中心に確認票の処方数を増やしつつ、利用者のフィードバックで改良を行っていく予定だという。


●奈良の29薬局が取り組みに協力

 今年6月から、同確認票の試用やアンケート調査で奈良県薬剤師会の29薬局が取り組みに協力している。その中の高田よつば薬局(大和高田市)では、薬局待合スペース内で確認票を設置。一般用漢方製剤の販売時にも確認票を活用して説明を行っている。

 薬剤師の坂本剛さんは「完結で分かりやすくまとめられている」と評価する。特に商品例の記載は、漢方薬の名称とは違う商品名を使用するメーカーも記載されており、患者への漢方製剤の理解を促しやすいとする。

 同薬局では、近隣のクリニックから医療用漢方エキス製剤の処方箋も多く応需しており、その服薬の説明時に「家庭で服用している一般用漢方薬との重複などを回避するための説明にも確認票を活用している」という。

受付:9:00〜18:00 (土・日・祝祭日除く) 担当:大石・吉崎

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