単回使用医療機器で議論‐医療費減に期待、収集に課題

 1回限りの使用となる医療機器を分解、洗浄、部品交換などの処理を行い再流通できるようにした「再製造単回使用医療機器」(R-SUD)が国内で登場している。2017年に厚生労働省がR-SUDの新制度を創設し、今年8月には日本ストライカーが開発した電極型カテーテルが国内初承認を取得した。R-SUDは医療機器の廃棄を減らし、医療費削減につながるとの期待がある一方、償還価格の設定や単回使用医療機器の収集体制などで課題も残っている。このほど米国医療機器・IVD工業会(AMDD)が都内で開催したセミナーでは、専門家からR-SUDの意義や課題が紹介された。

 SUDをめぐっては、1回限りの使用であるにも関わらず、病院内でSUDの一部を洗浄・滅菌した上で再使用していた実態が問題となっていた。こうした状況を受け、厚労省は使用済みのSUDについて、医療機器製造販売業者の責任のもとで適切に収集し、分解、洗浄、部品交換、再組み立て、滅菌などの処理を行い、再び使用できるようにする新制度を導入した。

 R-SUDの製造販売を行うためには、医薬品医療機器等法に基づく製造販売業許可が必要になることや、オリジナル品のSUDとは別の品目として製造販売承認を取得しなければならないなどの要件が設けられている。

 大阪大学医学部附属病院の高階雅紀氏は、R-SUDの意義について、「医療費の節減、廃棄物の削減、新産業の育成につながる。米国やドイツなどでは既に安全に使用されている。うまくいけば200億円程度の医療費削減が実現できる」と説明。R-SUDの品目ごとに十分な清浄性を確保していることなどを審査しているため、「製造業者の製品品質については国が安全を保障している」と話した。

 ただ、日本の医療保険制度では自己負担額が10~20万円程度で頭打ちになる現状から、「医療機器が安くなったとしても自己負担額はほとんど変わらず、患者への直接的なメリットが創出されない」と指摘。

 廃棄物処理費用が減る一方、「使用済みSUDの収集には手間がかかり、収集する現場にはインセンティブがない」と述べ、使用済みSUDの収集体制を構築する必要性を強調した。

 東京女子医科大学の上塚芳郎特任教授は、使用済みSUDの収集、洗浄、部品交換、再組み立て、滅菌といった一連の作業を「労働集約的なプロセスになる」との認識を示した。「安価な労働力ではなく質の高い労働力を確保する必要があり、医療機器としてのマーケットも必要になる。R-SUDの種類が増え、使われる環境が醸成されないと難しいのではないか」との見方を示した。

 また、SUDの再製造メーカーが原型医療機器の改良や不具合、改修などの情報を確認し、同等の品質や有効性を維持する難しさにも言及。「オリジナル品に一部変更が行われた場合には、再製造メーカーは簡単に知る術がなく、オリジナル品を定期的に購入し、分解する必要がある」と述べ、R-SUDの設計変更や再製造工程の見直しなどで負担が増大する可能性を指摘した。

2019年12月21日
薬事日報より

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