医療用検査薬、スイッチ化の新ルールを整備‐血液検体除外で対象項目が大幅減

 厚生労働省は、医療用検査薬を一般用医薬品として利用できるようにするための新たなルールを整備した。スイッチ化の対象となる検体として、これまで認められていた尿と糞便に加え、鼻汁、唾液、涙液を追加。指先などから採取する血液や喉を綿棒などで拭う咽頭拭い液などは除外された。政府の規制改革会議や業界団体は、49の検査項目のスイッチ化を要望していたが、血液検体が対象から除外されたことで、新たに一般用検査薬の候補となるのは、尿や糞便を検体とする十数項目にとどまる見込みとなった。期待外れの結果になったことで、血液検体を含めた対象範囲の拡大に向け、規制改革会議が攻勢を強めてくることも予想される。

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  新ルールで、スイッチ化の対象となる検体には、▽検体から得られる検査結果の臨床的意義が確立されている▽検査に必要な量が容易に採取できるなど使用者の負担が少ない▽検査に特別な器具および処理を必要としない――が条件。

  こうした条件を踏まえ、尿、糞便、鼻汁、涙液、唾液が「侵襲性がない」として対象となった。

 業界団体が要望していた血液検体は、検討会がスタートした当初から日本医師会が反対する姿勢を示し、日本薬剤師会もこれに同調する形で議論が進んだ結果、対象から外れた。

  一般原則では、一般用検査薬の使用者に適切な情報提供を行うため、製品を取り扱う薬剤師等には、検査の意義や目的、検査薬の性能、結果の判定などを購入者に分かりやすく説明すると共に、適切な受診勧奨を行うよう求めており、薬剤師の役割も大きくなる。

 日本臨床検査薬協会では、尿中の女性ホルモンの変化から排卵日を予測する「排卵」、腎疾患の兆しを調べる「尿潜血」、尿路感染症を調べる「尿中白血球」などの項目について「優先度が高い」としてガイドライン(GL)作成に着手しており、早ければ来年1月中にも厚労省に提出したい考え。

 これまで一般用検査薬は、尿糖検査薬、尿タンパク検査薬、妊娠検査薬の3品目しか認められていなかったが、新ルールの整備により、新たに十数品目が加わる見込みだ。

 ただ、業界関係者によると、スイッチ化を要望している49項目のうち、「30数項目は血液を検体に用いた検査」だという。つまり、規制改革会議や業界団体にとって、新ルールから血液検体が除外されたことは、及第点には遠く及ばない結果になったことを意味する。

 安倍晋三首相は、経済政策の柱の一つである成長戦略を進めるため、「医療分野の大胆な規制改革を断行する」との考えを示しており、このまま規制改革会議が黙っているとは考えにくい。

 厚労省がまとめた、「一般用検査薬の導入に関する一般原則」では、スイッチ検査薬の対象範囲の見直しについて、「課題の整理状況を把握した上で、全ての関係者の理解と合意を得ながら、段階的に進める」との余地を残している。

 6月の規制改革の答申取りまとめに向けて、会議側が厚労省に対象範囲の見直しを求めてくる可能性は否定できない。

 

承認審査のスキームも決定


 承認審査の新スキームも固まった。企業は、一般用検査薬の導入に関する一般原則への該当性や製品化の実現性などを踏まえ、一般用検査薬として取り扱う際の使用上の注意、使用方法や検出感度などについて統一的な考え方を示したGLを作成し、厚労省に提出する。

 厚労省は医薬品医療機器総合機構(PMDA)に企業が作成したGLの評価を依頼、PMDAが一般原則への妥当性や使用方法、検出感度などを科学的に評価。その結果を踏まえ、医療機器・体外診断薬部会で改めて転用の可否を審議し、了承されれば一般用検査薬に追加され、個別の製品の申請手続きに入る。

 部会を通過した検査項目は、一般薬のリスク区分を検討する薬食審・医薬品等安全対策部会において、使用者に提供すべき情報などを踏まえ、専門家らが審議し、承認までにリスク区分が告示されるという手順で進められることになった。

 

薬事日報より

 

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