IRB以外に第三者視点を‐研究計画のチェック体制

厚生労働省の「臨床研究にかかる制度のあり方に関する検討会」は23日、法規制の対象となる研究や被験者保護等の研究機関で考えられる主な対応について議論した。委員からは、特に日本では倫理審査委員会(IRB)が臨床研究不正の歯止めになっていない問題点が指摘され、「第三者の視点で研究計画をチェックする仕組みが必要」と求める声が相次いだ。


 この日の検討会で、厚労省は、法規制の対象となる研究に、介入・侵襲を伴う研究、未承認・適応外の医薬品を用いる臨床研究、被験者数の多い臨床研究、製薬企業等の広告等に用いられる臨床研究等を例示。これらへの対応として、モニタリング・監査、倫理委員会の責任・体制強化、被験者保護、記録の保存等を挙げた。

 討議では、委員からIRBをめぐる問題点を指摘する意見が相次ぎ、山口育子委員(NPOささえあい医療人権センターCOML理事長)は、「今のIRBにはいろいろな問題があり、問題のあるプロトコールを見抜けない」とし、「研究機関でしっかりチェックするために、IRB以外の第三者機関の目も必要なのではないか。きちんと既存のIRBでチェックできないというのならば、外部がチェックする仕組みを考えていかないといけない」と提言した。

 武藤徹一郎委員(がん研究会名誉院長・メディカルディレクター)も「日本のIRBはお寒い限りで、厳しい審査委員会になっていない」と指摘。公平性の観点から、地域ごとにIRBを設置している英国等の例を参考にすべきと述べた。

 楠岡英雄委員(国立病院機構大阪医療センター院長)は、「リスクベースで規制する場合、モニタリングの頻度や有害事象への対応がプロトコールにどう記載されているか、最終的にIRBでチェックすることになるが、科学的に誰が判断するかが大きな問題」とし、「第三者的な判断が実施できる体制を考えておかなければならない」との考えを示した。

ネガティブデータも社会への公開が必要


 一方、児玉安司委員(新星総合法律事務所)は、「臨床研究ではIRBとインフォームドコンセントが倫理の二枚看板になってきたが、臨床研究のデータねつ造事件は、製薬企業の活動という資本の領域が医療倫理に入ってきており、二枚看板では防げない」とし、「企業側から主体的にどう規律を作るか、発言を期待したい」と要望。製薬業界等の自律的な倫理規範を求めた。

 さらに、大規模臨床試験のデータの信頼性が揺らいでいることに言及。「ヘルシンキ宣言は、ネガティブデータの公開を求めている」とし、「企業の社会的責任(CSR)を果たす立場から、ポジティブデータ、ネガティブデータをきちんと社会に開示していく必要がある」と求めた。

 近藤達也委員(医薬品医療機器総合機構理事長)も「ポジティブデータもネガティブデータも報告の義務がある。臨床研究の結果が正しく報告されると、多くの国民に役立つと思う。そういう視点で公開していく立場を取っていかなければならない」と述べ、結果の公表を促していくための支援が必要との考えを示した。

薬事日報より

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