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[メディカル版]アンチエイジング医学のルネサンス-サイエンス、教育・臨床、そして社会との対話-‐第14回日本抗加齢医学会総会の見どころ・聞きどころ

森下竜一総会会長(大阪大学大学院医学系研究科 臨床遺伝子治療学教授 )に聞く


 第14回日本抗加齢医学会総会が6月6~8日の3日間、大阪国際会議場で「アンチエイジング医学のルネサンス-サイエンス、教育・臨床、そして社会との対話-」をテーマに開催される。アンチエイジング医学は、同学会を通して定着し、医学会のみならず一般にも浸透しつつある。このような現況の中、アンチエイジング医学のバックグラウンドとなっている「健康長寿」の考え方は、超高齢化社会を迎えるわが国においてはより重要性が増している。そこで、大阪で初めて開催される同学会の見どころ・聞きどころを、森下竜一総会会長(大阪大学大学院医学系研究科臨床遺伝子治療学教授)に聞いた。

大阪国際会議場で6月6~8日開催


――まず、アンチエイジング医学のコンセプトや現状、今後の展望についてお聞かせください。

 抗加齢医学会は、15年ほど前にスタートした歴史の新しい学会です。アンチエイジングと言えば、「不老不死」を想像しがちですが、その目的は「健康長寿の実現」にあります。言い換えれば、「最後の瞬間まで元気に過ごす」ことを実践するための学問です。老化の分子機構もかなり判明し、アンチエイジングに関する興味が非常に深くなっているのが現状です。

 今後の展望ですが、私自身が考えるアンチエイジングは、非常に幅の広い学問です。その1つは、予防だけではなく、より根治的な治療ということで、再生医療がアンチエイジングの究極の手法になると思われます。

 さらに、高齢者には手術のような侵襲性の高い治療は実践し難くなるので、低侵襲で副作用が少なく、有効性の高い分子標的治療の実現もその範疇にあります。これからは、抗体医薬だけでなく、遺伝子治療や再生医療、ペプチド医薬、ワクチンといった次世代、次々世代の医療が、高齢者の方々の特質を理解しながら形成されていくと予測されます。

 今年の学会でロボットスーツを取り上げますが、超高齢化社会の中、ロボット技術を活用して高齢者の活動領域を広げることもアンチエイジングの1つです。

 既存の医薬品を、他の疾患の予防に活用できないかの科学的証明も重要です。例えば、降圧剤ARBのアルツハイマー病や骨粗鬆症の予防効果、糖尿病の発症抑制効果が判明しています。ARBを投与すれば、高血圧の治療をしながら、糖尿病や骨粗鬆症による寝たきり、アルツハイマー病が予防できるというわけです。

 同様に抗酸化剤のビタミンEやスタチンでも、他の疾患の予防の可能性が示されています。このような薬剤を検証して科学的に証明し、治療の第一選択薬として使うのもアンチエイジングの考え方です。

 「健康長寿を実現する」という観点から、アンチエイジングでは「血管年齢」「神経年齢」「ホルモン年齢」「筋年齢」「骨年齢」の5つの項目に分けた年齢を考えます。

 百寿者の研究では、これら5項目が均一に老化していることが分かっています。すなわち、長生きするには均一な老化が必要だというわけです。均一に老化するには、早い段階で各年齢項目の老化状況を知らねばなりません。病気になってしまってからでは遅いので、その前段階で発見して要因となっている生活習慣を是正することが重要です。未病の段階からのコントロールもアンチエイジングの1つです。

――総会テーマには、どのような狙いがありますか。

 今やアンチエイジングは一般的になり、ルネサンス時代のように花盛りです。その中で、これから科学的に解明していかねばならない事柄もたくさんあります。総会テーマには、このルネサンス時代をスタートにして、より文化的に、社会的に、科学的に成熟していきたいという願いが込められています。

 本学会は、科学と共に、アンチエイジングに関する教育、臨床的な部分も重視しています。アンチエイジングの実践を拡大するための社会との対話も大きなテーマであると認識しています。

――今年の総会で、注目すべき講演としてはどのようなものがありますか。

 今回は、総会テーマにふさわしい先生方をお招きすることができました。まず、科学に関しては2010年ノーベル化学賞受賞者の鈴木章先生(北海道大学名誉教授)と、ビクター・J・ザウ先生(米デューク大学学長兼保健医学部門総長)が、「アンチエイジングに貢献した医薬品」について講演されます。また免疫分野では、平野俊夫先生(大阪大学第17代総長)が、「インターロイキン6と共に36年」をテーマにお話しになります。同講演は、抗体薬という幅広い内容になりますから、非常に興味深いと思います。

 教育・臨床では、会長特別企画として今、話題の介護ロボットHALを開発された山海嘉之先生(筑波大学大学院システム情報系教授)に講演をお願いしました。

 社会との対話では、アンチエイジングを実践して健康長寿を実現されているコメディアン・俳優の大村昆さんの「高齢化社会における幸福論~いま、幸せでっか~」をテーマとした特別講演や、滝久雄ぐるなび会長が食事の重要性を説く招聘講演を企画しました。

――今年の学会では、「楽しんで長生きする」というアンチエイジングの基本概念から、演題以外にも様々な趣向が凝らされていますね。

 高級フレンチレストラン「シェ松尾」のオーナーシェフ・松尾幸造さんと、東京ミッドタウンメディカルセンターの渡邉美和子先生が手がけた特製の「アンチエイジング・ランチ」や、フレンチの巨匠・三國清三シェフとロート製薬が贈るグローバル薬膳キュイジーヌ「旬穀旬葉」の薬膳料理をランチョンセミナーで提供します。アンチエイジングは、難しく肩肘を張ったものではなく、自ら実践していただくことが非常に重要です。こられのランチを、実践的な指標の1つにしていただければ幸いです。

――3日間の総会を通じて、新たな食品表示制度に向けたディスカッションが展開されますが、その内容と日本抗加齢医学会の役割についてお聞かせください。

 来年4月から食品やサプリメントに機能性を表示する新制度がスタートします。それに伴い本総会では、欧米、韓国などの様々な表示制度と、実際に海外ではどのような機能表示が認められているかを紹介しながら、それぞれの領域ごとに日本における機能性表示のあり方をディスカッションします。

 韓国では機能性表示を国が認定していますが、米国は“届け出”だけで企業責任のもとに表示が行われており、日本の制度も米国を参考にしたものになります。ですが、米国の表示は決して野放しではなく、CRN(C o u n c i lfor Responsible Nutrition)が業界の自主ルールを作って、安全性を担保しながら機能性表示しています。残念ながら日本では、今のところそのような仕組みはありません。

日本抗加齢医学会は、どのようなものに科学的根拠に基づく機能性表示が認められるかを明らかにしていきたいと考えています。表示対象となる食品の疫学的データ、科学的な介入試験、効果が現れる適正量などを本総会のシンポジウムの中で議論し、学会として将来的なガイドラインの策定につなげていく所存です。

――最後に、参加者の皆さんへメッセージをお願いします。

 本総会は、これまでも参加者4000人を超える大きな学会です。今年は、演題数が250を超え、過去最多となりました。また、展示も過去最高となっており、いろいろな企画を楽しんでもらえると思っております。大阪で初めて開かれる総会の盛り上がりを確信しています。ぜひたくさんの先生方にご参加いただきたいと思います。

薬事日報より

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