改正薬事法、再生医療新法が可決・成立‐1年以内の施行に向け作業本格化

昨年6月に閉幕した通常国会で審議未了のまま継続審議扱いとなっていた「薬事法等の一部を改正する法律」と、「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」が先の臨時国会で11月20日に成立した。改正薬事法は、製造販売業者に対し、最新の知見に基づいて作成した添付文書を厚生労働大臣に届け出る義務を課すことや、再生医療製品を条件付きで早期に承認する制度の導入を盛り込んでいる。また、医療機器の規制を分離するなど、医療機器の特性を踏まえた制度改正を行い、薬事法の名称を「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(薬機法)に改めることなどが柱。再生医療新法は、全ての再生医療に国への計画提出や安全性などの事前審査を義務づけるほか、医療機関に限定されていた細胞培養について外部委託を認めるなど、規制を柔軟にして産業育成を促進する。今後は、厚生労働省や経済産業省が中心となり、1年以内の施行に向けた作業を本格化させる。


医薬品・医療機器、安全対策強化と実用化を促進

今回の改正薬事法では、これまで以上に医薬品・医療機器の安全対策を強化すると共に、日本発の革新的な医薬品・医療機器の創出や、再生医療製品を早期に実用化に結びつけるための措置を講じた。

 添付文書は、法的な位置づけを見直し、厚労大臣への届け出義務を課すことと併せ、迅速な情報提供を行う観点から、届け出た添付文書をウェブサイトに掲載するなど、迅速に安全性に関する情報が収集できる仕組みを導入する。

 昨年11月19日の参院厚生労働委員会では、厚労省医薬食品局の今別府敏男局長が最新知見を添付文書に反映させるためのガイドライン(GL)を作成することを明らかにした。

 また、薬事法の目的に、保健衛生上の危害の発生・拡大防止のため必要な規制を行うことを明示するほか、医薬品・医療機器の品質、有効性、安全性の確保にかかる責務を国や都道府県、製造販売業者、医療関係者に課す。

 医療機関の副作用等の報告先を製造販売業者の報告先を医薬品医療機器総合機構(PMDA)に一元化すると共に、国はPMDAに情報の整理等を行わせることを可能とする。

 再生医療製品の特性を踏まえた規制も導入する。まず、「再生医療等製品」を新たに定義し、再生医療等製品の「章」を創設する。

 その上で、ヒトの細胞を用いるため製品の品質が不均一になったり、治験に必要な症例が集まらないなどの点を考慮し、少ない症例数でも治験で有効性が推定でき、安全性が確認できれば条件付きで早期承認し、有効性・安全性の検証は承認後に改めて行う「条件及び期限付き承認制度」を新たに導入する。

 厚労省は、新制度の導入により、実用化までの期間が従来の半分程度に短縮できると見込む。

名称を「薬機法」に変更し明確化図る

今回の改正薬事法では、臨床現場での実際の使用を通じて実用化されることが多く、絶えず改良・改善が行われ、一製品当たりの寿命が短いなどの特性がある医療機器の制度改正も行った。

 まず、医薬品と別個の章を新設し、医療機器の「章」を新たに追加。薬事法の名称を「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」に改め、医薬品以外も扱うことを明確にした。

 医療機器の実用化促進に向けては、歯科インプラントやコンタクトレンズなど、民間の第三者機関が認証する医療機器の対象を拡大する。また、厚労大臣が基準を定めて指定する「高度管理医療機器」(クラスIII)の一部も第三者機関の認証の対象とし、手続きを簡略化することで、PMDAの医療機器審査を革新的な医療機器に重点化し、審査の迅速化につなげることを見込む。

 MRIなどで撮影された画像データの処理など、汎用PCにインストールすることで医療機器としての性能を発揮する「単体プログラム」について、既に欧米で医療機器として位置づけられていることを踏まえ、医療機器の範囲に加えて製造販売等の対象とする。

 また、承認・認証の際に個別製品ごとに行われていたQMS調査(製造管理・品質管理が基準に基づいているかを調べる)を合理化し、製品群単位で調査を実施できるようにする。

 これにより、既にQMS調査で基準に適合している製品と同じ製品群に属する場合、調査が原則免除されることになる。都道府県によるQMS調査は廃止し、認証機関とPMDAに集約する。

 医療機器の製造業を許可制・認定制から登録制に改め、要件を簡素化することも盛り込んでいる。

治療計画の届け出を義務化‐細胞培養加工の外部委託も可能に

 再生医療新法案では、再生医療・細胞治療のリスクの高さに応じて、第1種、第2種、第3種の3段階に分類。高リスクの第1種の治療では、ES細胞やiPS細胞を用いることを想定し、特に高度な審査能力を持つ第三者組織「特定認定再生医療等委員会」の審査を受けた上で、厚労大臣の承認を求める。安全性等の基準に適合していない場合は、大臣が実施計画の変更命令を出すこともできる。

 第2種の治療は、体性幹細胞等を用いることを想定し、「特定認定再生医療等委員会」の意見を聴いた上で、厚労大臣に提出して実施する。第3種は、体細胞等を用いることを想定し、「認定再生医療等委員会」の意見を聴いた上で、厚労大臣に提出して実施する。

 全ての治療を国に届け出るようにすることにより、治療の実態を把握できるようにする。無届けや虚偽が判明すれば治療停止を命じられるほか、罰則もある。

 また、規制を緩和し、現行では同一の医療機関の中、もしくは医療機関同士でしか認められていない細胞の培養・加工を、民間業者に外部委託できるようにして産業の促進を図る。

 これを受け、経済産業省は昨年12月3日、「再生医療の普及のために必要な保険制度に関する研究会」を立ち上げ、再生医療を行う医療機関や企業向けの損害保険を整備するための議論を開始。今年度中に、賠償責任の範囲などを定めたガイドラインをまとめる方針だ。

薬事日報より

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