2014年度診療報酬改定の基本方針(抜粋)

●14年度診療報酬改定に係る基本的考え方

基本認識

わが国の医療については、国民皆保険の下で医療関係者の献身的な努力、保健事業に係る保険者の取り組み、公衆衛生の向上等により、世界トップレベルの長寿、新生児死亡率や妊産婦死亡率の低さ等を実現してきた。

 今後の超少子高齢社会においても、必要な医療は保険診療で行われるべきという基本理念のもと、国民皆保険を堅持し、国民の健康を守っていく必要がある。

 しかし、今後のさらなる高齢化の進展により、医療ニーズが慢性疾患を中心とするものに変化しながら増大し、医療の内容が変わっていく中で、引き続き国民が安全で質の高い医療が受けられるようにするためには、国民の理解を得て、医療提供体制の再構築に取り組み、限られた医療資源を医療ニーズに合わせて効果的にかつ無駄なく活用できるようにすることが必要である。

 このため、社会保障・税一体改革においては、消費税率を引き上げ、その財源を活用して医療サービスの機能強化と、同時に重点化・効率化に取り組み、25年に向けて医療提供サービスの再構築、地域包括ケアシステムの構築を図ることとされている。

 団塊の世代が75歳以上となる25年に向けて、急性期から回復期、慢性期、在宅医療まで患者の状態に合った適切な医療を受けることができるよう、社会保障制度改革国民会議の報告書も踏まえ、患者の負担にも留意しつつ、医療機関の機能分化・強化と連携を進め、病床の役割を明確化した上で機能に応じた充実を行うと共に、急性期を脱した患者の受け皿となる病床、主治医機能、在宅医療を充実していかなければならない。

 診療報酬改定においては、医療法改正による対応に先駆け、14年度改定において、入院医療・外来医療を含めた医療機関の機能分化・強化と連携、在宅医療の充実等に取り組む必要がある。

重点課題

(1)医療機関の分化・強化と連携、在宅医療の充実等

 14年度改定においては、前記のような基本認識のもと、社会保障・税一体改革において消費税率を引き上げ、その財源を活用して、医療機関の機能強化と同時に重点化・効率化に取り組むこととされている中で、入院医療・外来医療を含めた医療機関の機能分化・強化と連携、在宅医療の充実等に重点的に取り組むべきである。

 医療機関の機能分化・強化と連携に当たっては、性急な措置によって医療現場が混乱し、患者が必要な医療が受けられない事態が発生しないよう、急性期を脱した患者の受け皿となる病床を整備し、退院した患者を支える在宅医療等を充実させると共に、医療従事者の適切な確保に留意しながら、段階的かつ着実に進める必要がある。

 また、現在、別途検討が行われている病床機能報告制度とできる限り整合性が図られるよう、留意しながら検討を進めるべきである。

 患者の立場からすれば、状態に応じた適切な医療を受けることができるということが重要なのであり、そのような視点に立って、病院、医科診療所、歯科診療所、薬局、訪問看護ステーション、そして介護事業所等に至るまで、患者を支える機能が円滑に連携していくため、これらが地域の実情に応じたネットワークを構築し、地域全体で地域の医療需要に応えていく「地域完結型」の医療提供を促進するような評価が必要である。また、医療従事者の確保が必要であり、医療従事者の負担軽減と共に、チーム医療の推進に引き続き取り組むべきである。

 医療機能の機能分化・強化と連携に当たっては、診療報酬と補助金の活用が考えられる。診療報酬は医療行為や入院等への対価の支払いであり、私的医療機関が多いわが国では、診療報酬により医療機関の自発的行動や経営努力を促すことが好ましいが、行き過ぎたインセンティブとならないよう注意する必要がある。他方、補助金は地域の実情に応じた活用が可能であるが、対象や金額が限定される傾向があり、例えば地域医療再生基金では、主に5疾病5事業等に活用された結果として公立病院等に多く配分されている。診療報酬と補助金の特性を考慮しながら、適切に組み合わせて対応することが適当である。

改定の視点

(1)充実が求められる分野を評価していく視点

 がん医療、認知症対策など、国民が安心して生活することができるために必要な分野を充実していくことが重要である。

(2)患者等から見て分かりやすく納得でき、安心・安全で質の高い医療を実現する視点

 患者の立場から、必要な情報に基づき、納得して医療に参加していけること、また、生活の質という観点も含め、患者が心身の状態に合った質の高い医療を受けられることが重要である。

(3)医療従事者の負担を軽減する視点

 医療従事者の厳しい勤務環境が指摘されている中、勤務医、看護職、リハビリテーション専門職等の医療従事者の負担を軽減することが重要である。

(4)効率化余地がある分野を適正化する視点

 医療費は国民の保険料、公費、患者の自己負担を財源としており、厳しい医療保険財政のもと、効率化余地のある分野は適正化していくと共に、患者自身の医療費の適正化に関する自覚も重要である。

●14年度診療報酬改定の基本方針

重点課題

(1)医療機関の機能分化と連携、在宅医療の充実

 [3]在宅医療について

 一人暮らしや高齢者のみの世帯でも住み慣れた地域にできるだけ長く暮らせるように、地域ごとに地域包括ケアシステムを構築することが重要である。主治医を中心として病院、医科診療所、歯科診療所、薬局、訪問看護ステーション、介護事業所等が連携し、地域で急変時の対応や看取りを含めた在宅医療を提供できる体制を構築する必要がある。

 このため、在宅医療を担う医療機関の量の確保と、患者のニーズに対応した質の高い在宅医療の提供を推進するため、介護報酬との連携に留意しつつ、▽在宅療養支援診療所・病院の機能強化▽在宅療養支援機関以外の医療機関の在宅医療の推進▽在宅薬剤管理指導の推進▽訪問診療の適正化――等の検討を行う必要がある。

 [4]医療機関相互の連携や医療・介護によるネットワークについて

 医療機関の機能分化・強化と連携や医療・介護の連携をさらに推進するため、病院、医科診療所、歯科診療所、薬局、訪問看護ステーション、介護事業所等のネットワークにおいて、患者を支えるこれらが協働して機能を発揮し、患者の状態に応じた質の高い医療を提供すること、病院から在宅への円滑な移行や、医療と介護の切れ目ない連携を図ることに対する評価について検討する必要がある。

改定の視点

 (1)充実が求められる分野を評価していく視点=▽緩和ケアを含むがん医療の推進▽精神病床の機能分化、自殺予防等の観点から精神疾患に対する医療▽若年性認知症を含む認知症への対策▽救急医療、小児医療、周産期医療▽かかりつけ薬局機能を活用し、患者個々の薬歴を踏まえた的確な投薬管理・指導▽医薬品、医療機器、検査等のイノベーションの適切な評価――等の推進を検討する。

 (2)患者等から見て分かりやすく納得でき、安心・安全で質の高い医療を実現する視点=▽医療安全対策等の推進▽患者に対する相談指導の支援▽明細書無料発行の推進▽診療報酬点数表の平易化・簡素化▽患者データの提出――等を検討する。

 (3)医療従事者の負担を軽減する視点=▽医療従事者の負担軽減▽救急外来の機能分化の推進▽チーム医療の推進――等を検討する。

 (4)効率化余地がある分野を適正化する視点=▽後発品の使用促進▽長期収載品の薬価の特例引き下げ▽医薬品、医療機器、検査等の適切な評価▽大規模薬局の調剤報酬の適正化――等を検討する。

●将来を見据えた課題

医療分野のイノベーションの進展によって、より高い治療効果等が期待される医療技術が選択できるようになる一方で、費用の大きな医療技術の中には、必ずしも治療効果等が十分に高いとは言えないものがあるという指摘がある。これらをも踏まえて、医薬品、医療機器等の医療技術の費用対効果評価について検討していく必要がある。

 「地域完結型」の医療を提供していく中で、ICTを活用して病院、医科診療所、歯科診療所、薬局、訪問看護ステーション等における医療情報の共有を推進し、より円滑な連携を図っていく必要がある。

 保険医療機関・保険薬局の医薬品購入の未妥結状況への対応、医療機関等の実態についてのより適切な把握、厳しい状況にある診療科の評価等についても検討を進める必要がある。

薬事日報より

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