バーコード表示の変更に注意‐JANコード削除、今月から可能に

医療用医薬品の販売包装単位のバーコード表示が変わる。販売包装単位とは、PTP包装シートを100枚収納した箱など、卸売販売業者から医療機関や薬局に販売される最小の包装単位のこと。今まで併記されていたJANコードが、早ければ今月から削除される。遅くとも2015年7月からは一部製品を除き、GS1データバーの表示に一本化され、JANコードの表示はなくなる。院内の医薬品管理や散薬・水薬監査システムなどにJANコードを使っている場合は注意が必要という。バーコード表示の展望を、上級医療情報技師の池田和之氏(奈良県立医科大学附属病院薬剤部)に聞いた。

●院内の活用状況の調査を物流管理や監査システムに利用

 現在、医療用医薬品の販売包装単位には、JANコードとGS1データバーが併記されている。06年に厚生労働省医薬食品局安全対策課長から発出された通知「医療用医薬品のバーコード表示の実施について」によって、JANコードに比べ、より小さな面積により多くの情報を盛り込めるGS1データバーを活用する方針が決定。以前は、JANコードのみが表示されていたが、08年9月以降はGS1データバーの表示が義務化され、併記されるようになった。

 また、12年6月に発出された厚労省医政局経済課長・医薬食品局安全対策課長連名通知によって、13年10月以降の販売包装単位へのJANコード表示義務が解除された。15年7月以降はJANコードの併記は終了し、GS1データバーに一本化されるが、今月から、GS1データバーのみが表示された医療用医薬品の販売包装が病院に納品される可能性がある。院内でまだJANコードを活用している場合は注意が必要だ。

 「情報システムの活用によって医療の安全性を高めようという趣旨だが、この変更がリスクになってしまう可能性もなきにしもあらずなので、十分に確認しながら対応することが求められる」と池田氏は警告する。

 具体的にどのように対応すればいいのか。池田氏は「まずは、販売包装単位のJANコードを病院の中でどのように使っているのか、調査してもらいたい。病院によって活用状況は異なる。思わぬところで使っている可能性もある。その上で対策を立ててほしい」と強調する。

 例えば、納品や棚卸し、院内の物流管理にJANコードを活用している可能性がある。また、院内物流以外では、散薬や水薬の監査システムやピッキング監査システムにJANコードが利用されている。瓶や棚に貼ったバーコードを読み取ってオーダーと照合し、薬品の間違いを防止するものだ。

 「医療機関によって対応は変わってくる。最近、散薬鑑査システムを買ったばかりであれば、そのバーコードリーダーでGS1データバーを読めるだろう。バーコードの数値のマスター登録さえ変更すれば、すぐに対応できるかもしれない。ただ、かなり以前に導入したシステムであれば、そもそもバーコードリーダーが対応していなかったり、マスター登録の変更にシステム側が対応できなかったりする可能性がある。同じことが物流システムでも言える」

 今年10月以降、販売包装単位でのJANコード表示を直ちに中止する製薬会社は少ないと見込まれるが、いずれにしてもGS1データバーへの一本化まであと2年もない。JANコードの表示は段階的に減少すると見られるため、対応を急ぐ必要があるという。

 現在、特定生物由来製品や生物由来製品では、販売包装単位のGS1データバーに、有効期限や製造番号の情報が必ず含まれている。内用薬や外用薬、注射薬の販売包装単位については、商品コード以外は任意表示にとどまっている。

 12年の通知では、注射薬や内服薬、外用薬の販売包装単位、元梱包単位について、有効期限や製造番号のバーコード表示を可能な製薬会社から順次実施することが示された。今後、これらの情報が積極的に入力されるようになれば、モノの照合だけでなく、より幅広い活用が可能だ。

●内用薬や外用薬の調剤包装単位、表示の義務化は15年7月から

 一方、PTP包装シートや散剤の分包など、内用薬や外用薬の調剤包装単位にGS1データバーを表示した医療用医薬品が増えつつある。12年6月の通知で、15年7月からの表示が義務化されたからだ。

 特定生物由来製品、生物由来製品、注射薬の調剤包装単位へのバーコード表示は先行して、08年9月から義務化された。内用薬と外用薬は、技術開発の進展を待って15年から義務化されることになり、製薬各社が対応を進めている状況だ。

 「徐々に増えている。昨年12月の時点で、当院の採用薬のうち2割弱には表示されていた。現在はもっと増えていると思う」と池田氏。全ての調剤包装にGS1データバーが表示される15年に向けて、医療現場でどう有効活用するのか、今から考えてほしいという。

 既に表示が義務化された注射薬のGS1データバーは、医療現場での活用が進んでいる。奈良医大病院でも、病棟への注射薬払い出しや混合調製時に、バーコードとオーダを照合し、薬品の取り違えや規格間違いを防止している。

 内用薬や外用薬でも、調剤時のピッキングなどの場面で活用できる。「当院でも内服の糖尿病用薬や向精神病薬など、重要な管理が求められる医薬品に関しては、調剤棚に貼ったバーコードとオーダを照らし合わせることによって、取り違えの防止や薬品の出納管理に利用している。調剤棚ではなく医薬品に直接表示されたバーコードを使うことによって、より確実にモノを特定できる。ほかにも、もっといろいろな利用方法があると思う」と池田氏は語る。

●一錠に一つの表示は必要か

 期待しがちなのが、持参薬管理への活用だ。バーコードを読み取るだけで、内用薬の種類を容易かつ正確に入力できるのは便利に違いない。

 ただ、PTP包装シートへのGS1データバーの表示方法は、製薬各社によって異なっている。通知では、PTP包装の1シートに表示するGS1データバーの数は、特に定められていない。一つ以上あればいいため、1シートに一つしかない場合は、細かく切断されてしまうと持参薬管理には活用できない。

 それではPTP包装シートの1錠ごとに、GS1データバーが表示されていればいいのだろうか。この場合、確かに持参薬管理には有用だ。しかし、「実際に1錠ずつGS1データバーが表示されたPTP包装シートが存在するが、いずれもバーコードだらけになってしまい、他の薬と識別しづらい。高齢者の飲み間違いを招く可能性がある」と池田氏は指摘する。

 また、GS1データバーはいくら小さい面積で済むとはいえ、最小でも2・5mm×18・5mmの大きさが必要だ。5錠が2列並んだ10錠シートでは4cmの幅がいる。「当院における調査では、採用薬のPTP包装シートのうち4cmの幅がないものは約6割あった。1錠に一つずつGS1データバーを表示しようとすると、約6割のPTP包装シートではサイズを大きくしなければいけない。そのことからも1シートに一つの表示でいいのではないか」と池田氏は提案している。

薬事日報より

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